第14話:一夜明けて
翌朝起きて身だしなみを整えリビングに行くと皆がもう起きていた。
「おはよう、優希」
「おはよう、耀よく寝れた?」
「ばっちりよ、木製ベッドだけど凄く寝心地いいのね」
「おはようございますユウキ様」
耀と話しているとエアリスも席に着く。
「おはよう、エアリス、今日もばっちり決まってるね」
「えぇ、身だしなみも必須ですから」
「優希おにーちゃんおはよぉ~」
「ユウキ……おはよ……Zzz」
「冬華にユフィ、二人共眠そうだね…」
苦笑いをしているとメアリーとユキがキッチンから出てきた。
「旦那様おはよございます」
「ユウキ様、おはようございます」
「おはようメアリーにユキ、二人共仲良くはなれた?」
「すっ…少し怖いですが…優しいので!」
サッとポケットから出てるお菓子を隠したユキ、買収されたのか…
「ユキさんはとてもいい子ですね、お仕事を覚えるのも早いですし」
髪色も相まって姉妹の様に見える、今度メアリーに犬耳カチューシャでもあげるか。
「優希お兄さん、おはようございます」
続いてキッチンから出てきた春華が両手で持つくらいのサイズのトレーに料理を持って出て来る。
「おはよう、春華。料理持つよ」
「ありがとうございます」
春華より料理を受け取りテーブルに並べていく。
「そうだユウキ様、ミュリとリンカさんを呼んで来て下さい、庭で朝練してると思うので…」
「わかったー、呼んで来る」
「それでハ、トレーを受け取りまス、行きましょうユキさん」
「はい!」
「ありがとう。メアリー、ユキ」
トレーを受け取りメアリーはユキを伴いキッチンへ入って行った。
「さて…二人は庭かな?」
リビングの扉を開けテラスから外に出る。
庭に出ると二人は模擬戦をしていた。
神楽坂さん双剣に足技を合わせた形、ミュリは得意の剣と盾での立ち回りだ。
よく見ると神楽坂さんから魔力がしっかり溢れている、鑑定を使うと身体強化を使っている。
「あっれぇ…神楽坂さん。身体強化使いこなしてる…使えるとは昨日聞いたけど…ここまですごいとは…」
ミュリの盾に器用に乗ったりそこから足技で崩しを掛けたりと一見するとミュリが優勢に見えるが、的確に全部受けきられてる。動き方的にはモンスターに近いからな、ミュリの得意分野だったりする。
イマイチ攻めきれない神楽坂さんを見ていると、これは、武器強化何かも教えたらかなり強くなるんじゃないか?と思って来る。
それはそうとして、これから朝食なのでそろそろ切り上げてもらわないといけない。
「おーい!二人共!」
声を掛けると二人の手が止まりこちらへ駆けて来る。
空間収納からタオルを取り出し二人に手渡す。
「おはようユウキ、タオルありがとう」
「おはようございます上凪さん。タオルありがとうございます」
「おはよう、神楽坂さん、ミュリ」
「それで、どうしたんだ?」
「そろそろ朝食だから呼びに来たんだ」
「そうだったんですね、ありがとうございます」
そう言って神楽坂さんは剣の鞘をベンチに取りに行った。
「なっなあユウキ…」
「どうしたんだミュリ?」
なんかくねくねしながら、ミュリが声を掛けてきた。
「1戦頼めないか?」
「えぇ…これから朝ご飯だよ?」
「えぇ~」
「なぁなぁ。1戦、1戦だけでいいから!」
「うーん…まぁ、いいか」
空間収納から刀を取り出し、ミュリに向かい合う。
「条件は?」
「何でもありだ!全力で来い!」
「わかった!」
さて…さっさと終わらせようか…
「さあ!来い!成長したユウキの力みせてくれ!」
対面したミュリが叫ぶ、どうやら先手を譲ってくれるみたいだ。
こちらから動く、身体強化で脚に力を入れ接近する。
(まずは、上段から…弾かれるだろうから右手は軽く持つ)
上段に構え刀を持ち、はじかれるのを前提に振り下ろす。
――ガキンッと刀が盾を弾く、狙い通りに左手からの袈裟斬りを仕掛けてくる。
そのまま前のめりになり、ミュリの左手首を掴み攻撃を止める。
「んなぁ!」
そのまま剣を空間収納にしまい、左手でミュリの胸元を掴む、そのまま背負投げの要領で投げる。無論、柔道の技では無いのでそのまま叩きつける事になるが。
「がっは……」
そのまま動かなくなるミュリ、これは勝負あったかな…
「ふっ…ふふふ……ハハハ……あはははは!」
笑い声と共にミュリがたちあがる、するとミュリの魔力が膨れ上がる。
「ユウキ!コイツは見せるの初だったな!!」
魔力が膨れ上がり魔力鎧とが大きくなり魔力で形作られた剣が現れる、その形状は……
「Over S◯ulじゃねーか!」
「ははは!これこそユフィとの合作の魔法鎧だ!」
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一方その頃、テラス席。
「あーあやっぱりこうなったわね…」
「まったく…呼んできてと言ったのに…」
「まぁまぁ…エアリスさん、優希も師匠との手合わせしたかっだろうし」
「ミュリがあれを使った……注意…」
「ユフィさん、あれそんなに危険なんです?」
「とっても危険…だってあれ…」
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「さぁ!この魔法鎧の真髄見せてやる!」
アレの攻撃範囲が見た目通りなら避けるのは至難の技か…なら!
同じ様に、刀へ魔力を力任せに込めて刀身を創り出す。
ミュリの攻撃にぶつける、弾いた瞬間。ミュリの服、つまり…魔法鎧が弾け飛んだ。
しん…………と静まり返る裏庭。
テラス席にいたユフィの「ああなる」とミュリを指差して言った。
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