第43話:神楽坂さんと皆で夕食②

春華の準備できたとの号令に皆で席に着いて『いただきます』をする。


今日の夕食は金目鯛の西京焼き、夏野菜の浅漬け、それに揚げ出し豆腐にエノキのあんかけを掛けたもの、最後はあさりの味噌汁だ。


「うん、美味しい!」


「このお味噌汁も美味しい!」


「このピーマンの浅漬け…苦くない…」


「春華ちゃん凄いです!」


「なにこれ…ホントに美味しい…」


「皆さんありがとうございます、用意してあったお魚もお野菜も美味しいそうなものばかりで料理をするのがとっても楽しいです!」


「前食べた時より腕上がってない?」


「えへへ…優希さんと耀さんが旅行に行ってる間ずっと練習してました」


「でも春華、家だと洋食が多くなかった?」


「それはね、お母さんも『洋食のお勉強をして鷲司さんを喜ばせるんです!』って言ってたの。だから家だと洋食が多かったんだ」


「あーそう言えばお父さん、夕ご飯の前になるとずっとそわそわしてたね…」


「そう言えば春華・冬華・巴ちゃんの三人は温泉に行ってたんだっけ?」


「三人も楽しそうな写真ありがとね~優希が喜んでたよ!」


耀の爆弾発言に俺含め4人全員の顔が真っ赤になった。


「「「「!?!?!?!?!?」」」」


「ちょちょちょ耀!その事は!」


「えぇ~良いじゃん減るもんじゃないし」


「流石に耀おねーさんそれは…」


「そうだ、皆に送った優希のアレどうだった?」


「「「っっっっっっっっ!!!!!」」」


耀のその発言でさらに皆の顔が沸騰した、首や耳まで真っ赤だ。


『凶器(ボソッ』


『ズッキーニ(ボソボソ』


「はわわわわわ…(目がぐるぐる」


「おい耀、三人の様子がおかしいんだが……三人に何を送った?」


「やん♪そんな事乙女の口から言わせないで♪」


「もういい、何か察した…」


恐らく耀は俺が寝ている間に恥ずかしい写真を送ったらしい…


「とゆうカ食事中にする話じゃないですヨ」


少し呆れた様な様な顔でツッコミを入れるメアリー。


「ホントだよ…どうしてこうなった…」


「いヤ、優希さんモ原因ですヨ」


「辛辣!」


「早く食べて下さイ」


「ひでぇ…」


雑に扱われて悲しいけどご飯は美味しかったです……


「ふふっ……」


笑い声がしてそちらを見ると笑っている神楽坂さんと目が合う。


「ふふふ…いえ、何かこうゆうのいいなぁって……」


笑いながら俺達を見る神楽坂さんはとても楽しそうだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

食事が終わり今度は巴ちゃんが作ってくれたデザートを食べている。


「うわぁ…なにこれ…口に入れたら消えたんだけど…」


「お嬢様また腕をあげましたねぇ…」


「うん、このとろける感じ…それでいて舌に残らない…しかもほうじ茶が良いアクセントになる…」


「そうですネ、これが黄金比というやつですネ」


「皆こんな美味しいもの毎日食べてるの…いいなぁ…」


神楽坂さんも皆との会話に馴染んで来たようで先程から積極的会話に入ってる。


「そう言えば優希、何で神楽坂さんをウチに泊めようと思ったの?」


いきなり本質の核心を突いてくる耀、神楽坂さんと目が合うと頷いていた。


「あー……そうだな、どこから話すか…」


集まった皆に今日神楽坂さんの事務所であった事を話す。


「という訳で、神楽坂さんは家に帰り辛くなっちゃったので今は家出中って訳」


「酷い…」


「うわぁ…」


「……」


「許せないです…」


と皆が不快感を示している。


「正直私はもう慣れたわ、姉二人も問題は起こしてるけど、私と違って才能はあるから、守られてるし大きな報道とかもされてないてだけ。それにいまだに事務所で働いて仕事貰ってるし」


「そうなんだ…」


「聞いたこと無い?RINNEとRINRINって」


「え?あの二人が鈴香ちゃんのお姉さんなの?」


「えー意外。鈴香おねーちゃんと真逆じゃん!」


「知ってるの?耀、冬華」


「そりゃ知ってるよ!RINNEさんは2年くらい前に海外の映画祭で主演女優賞を取った女優さんだし」


スマホを操作した耀が見せてきたのは、一昨年に耀と一緒に観に行ったゴリッゴリの恋愛映画だった、海外の映画祭で金賞取ってたり主演女優さんと助演女優さんが双方最優秀主演・助演女優賞取った事で話題になった奴だ。


「RINRINさんは…ほらここら辺の雑誌全部特集号でRINRINさんが乗ってる奴だよ!」


冬華が出してきたのは共有リビングに置いてある雑誌で、そこには『デートで勝つ!夏の着こなし20選』とか『今年はコレ!最新秋コーデ15選』とかの見出しに同じ女性が写っていた。


「これ神楽坂さんのお姉さんなんだ…すごいね」


「うん、私と違って才能の塊な存在、二人共エネルギーに満ちていて本当に凄くて、尊敬できる存在。言っちゃえば神様に愛されていて、スターになるべくしてなった存在なんだ……」


寂しそうに、でも誇らしげに姉二人の事を語る神楽坂さん。


(本当に家族が好きなんだね…)


「まぁとりあえず俺の無知無知さが証明されたけど…これからどうしようかね…」


いつまでも逃げているわけにはいかないし…


「とりあえず、一週間位様子見ましょう」


「一週間も?長くない?」


「うーん…話を聞いた限りじゃ優希と鈴香さんの両親とは相性最悪みたいだし、芸能人なら忙しいからそのくらい置いても大丈夫かなぁ…って」


「大丈夫…だと思います、お母さんは今ドラマの撮影で忙しいですし、お父さんはお母さんのマネージャーも兼任してて、サポートで回るからかなり忙しいですね」


「なら、とりあえず一週間。様子を見よう」


そう俺が閉めると耀が、立ち上がり高らかに宣言した。


「よし!ならまずは!女子会よ!」


「「「「「おーー!!」」」」」

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