|幕間|子孫と記憶

今話は少し長めです。


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「僕は…上凪かみなぎ 理映りえだよ、歳は21歳、神様になってからは年は取ってないけどね」


「まじか…」


「わーお…」


「僕が耀ちゃんに似てるのは隔世遺伝を使った復元技術って奴でね、大体2000年前の人の姿なら復元できる技術なんだ、ちなみに弟は優希君に似ているよ」


「っていうと…理映は俺達から2000年先の人間なのか?」


「あっ……それは禁則事項だった…」


「大丈夫なの?怒られない?」


「あはは…多分お説教かも…」


「なんかごめんね…」


「大丈夫、多分これも運命神様が決めてる事だから…」


「僕の上司だよ、運命を司ってる神様」


「こら、理映!家族の前だからってあまりしゃべらないの!」


「「!?」」


突然背後に聞こえた声に二人してびっくりして振り返る、そこに居たのはスーツを着た女性だった。


「うっ…運命神様!?」


「「運命神様!?」」


「はい、わたくし理映の上司をしている運命神です、名前は認識できないと思うので運命神で大丈夫です」


「どうしてここに?」


「いえ、御先祖様とはいえ家族ですし、上司としては一度ご挨拶をしようと思ったんです」


「あぁ…ご丁寧にどうも…」


「うちの?理映がお世話になってます」


二人して頭を下げると運命神様はわたわたとし始める。


「いえいえ、こちらこそ理映にはお世話になっております、本当に優秀で私達上司の神達も理映の働きには太鼓判を押す程ですよ」


「なんだろう…僕こんなの初めてだからすごくむず痒いんだけど…」


「俺もどうすればいいかわかんない…」


耀と運命神様、女性同士気が合うのか会話が凄く盛り上がってる。


「とりあえず…お茶の続きでもしようか?」


「そうですね…」


それから盛り上がった二人も落ち着き帰る時間となった。


「じゃあ、優希君、耀ちゃん、メアリーちゃん、その内また招待するね」


「はい」


「楽しみにしてます!運命神様もお話ししましょう!」


「かみs…理映様ありがとうございました!私自身の事が知れて良かったです!」


「じゃあ戻すよー」


そうしていつも通り意識が遠くなる……ことは無かった、二人だけ消えた。


「あれ?俺は?」


「優希さん」


運命神様が真剣な顔をしてこちらに向き直った。


「詳しくは言えませんが、これから貴方には最大の困難が訪れるでしょう」


「そうですか…」


「はい、それは貴方の命を脅かすことになります」


「それって運命神様でもどうにもできないんですか?」


「そうですね、それは貴方の世界の因果を変える事になりますのでそれは不可能です」


「じゃあ、頑張らないとですね」


「怖くはないのですか?」


「怖いですよ、自分の命がかかってる事ですから」


「なら…」


「でも、それを俺に伝えるってことは、運命神様も俺なら何とかできるって思ってるんでしょ?」


「そう…ですね…」


「なら、大丈夫です!」


「強いのですね…」


「弱いですよ?でも待っててくれる人が居る…だから俺は頑張れるし帰って来ようと思うんです」


「そうですか、では私もその時が来たらあなたのお手伝いをしましょう」


「良いんですか?そこまで肩入れして」


「私も一人の感情を持つ神ですから、えにしのある存在が頑張ってるのなら手助けくらいはしたいと思いますので」


そう言うと運命神様は微笑んで数歩離れる。


「貴方に運命神の加護を与えましょう…しかるべき時、しかるべき場所、その運命を乗り越えようとする時貴方に新たな力を授けましょう」


多分運命神様は視えているのだろうその時迄わからないけどきっと悪い事は起きないと思う。


「では、乗り越えたら又逢いましょう」


そう言って運命神様に見送られながら意識が落ちていった。



◇メアリーside◇


神様達に出会い自分の出生などを知った、そうして私は優希さんの部屋で目が覚めた…時刻はまだ4時前だ、長く居たと思ったけどそこまで長くはなかったらしい。


右手を見ると神様に貰った記憶のチョコレートがその手にあった。


正直食べるのが怖い…でも同時に私に【メアリー】と大切な名前を付けてくれた両親の事がとても気になった。


そう逡巡していると、先に起きていた耀さんと目が合う。


「ねえ、メアリーもしそれを食べる時は私か優希が隣に居る時にしてね」


「それは……どうして?」


「だって、それを食べて…もし悲しくなっても、起きて最初に会うのが私達なら話せるでしょ?」


耀さんのその言葉に私は頷き、チョコレートを口にする。


嚙み砕いていくと苦いカカオの味とほんのりとした甘さが口に広がる。


それを飲み込み再度ベッドへ倒れ込む。


「耀さん…もし、起きた時私が泣いてたら慰めて下さい」


「もちろん!優希も一緒にね!」


「ゆっ…優希さんにはあまりそうゆうとこ見せたくはないんですが…」


「観念しなさい!大体バレてるんだからね!」


「え?」


「ほら、寝た寝た!私も寝るから!」


そう言って耀さんは私と優希さんの間に入って眠ってしまった。


段々と瞼が重くなり私は意識を手放した。


◇◆◇◆◇◆◇◆

「メアリー、メアリーったら…早く起きなさい!」


ママに怒られ私は飛び起きる、おとなになった夢を見ていたきがする。


「ほら!早く顔を洗ってらっしゃい」


タオルを持って村の井戸へ行く、朝の太陽がのぼるこの時間が私の好きな時間だ、私たちの村は丘にある村で下にはたくさんの小麦畑で黄金色の絨毯みたいだ。


それに昨日降った雨が光を吸っていつもよりキラキラしている。


「んっしょ」


今年になって村に備え付けられた手押しポンプで水を出す、顔を洗いタオルで拭く


寝ぼけ頭がすっきりしていく、早く戻って朝ご飯を食べないと!


朝ご飯を食べ終えた後は、今日は家族で街へ買い出しの日だ。


「ほらメアリー、馬に乗って」


パパに持ち上げられ馬にのり歩き出す、街まで長いけどこの時間がとても楽しい。


今日も明日もずっっと楽しい日が続くと思っていた。


(そうか…これが私の楽しかった記憶…優しいパパとママの温かい記憶、長く長く続くと思っていた大事な記憶)


そうして場面は変わり教団に捕らえられた私は、薬や凌辱によって人格や理性が破壊されていく。


そうして場面がまるで目まぐるしく変わり目の前に眩く光る存在が居る。


(あぁ…あの暖かな光、あれが優希だったのか…)


(そうして私は救われたんだな、そして生まれ変わってからも、何度も救われたんだ)


「帰ったらお礼を言わないとね」


そうして私は記憶の海から浮上するのであった。



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あとがき



作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!


22万7千超えました!!バクシン中です!!

日間1万1千PV超えました!!ここ最近毎日1万越えで嬉しい!!


♡も4800を超えました!嬉しい!!

☆ありがとうございます!感謝!!

滅茶苦茶やる気出てます!!!!

毎日沢山の新規ブクマありがとうございます!


☆もらえるとランキング上昇するのでくれると嬉しいです!!目指せ週間50位以内!!!日間10位以内(無謀)!!

そして調子乗って筆が進みます!!


ランキング爆上がりしてます!

ジャンル別

週間:52位

日間:45位

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総合ランキング

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です!ジャンル別と総合軒並み上がりしました!!

感謝ですこれは!!!!


週間ランキングも50位が見えてます!感謝!


皆様の☆(星)とブックマークのお陰で登ってます!


夏休みなんで最近行っていた毎日2話更新夏休みが終わったので1話更新に戻すつもりです。


PVめちゃくちゃ下がったり十分なストックが出来たら2話更新になるかもです。

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