|幕間|ちょ…それ…どうゆう事!?
神様の部屋に招かれ、世界の成り立ちやメアリーの事を聞いていたら、とてつもない事実を教えられた。
「神様?もう一回聞いていいですか?」
「うん!実はね僕は君と耀ちゃんの子孫なんだ!」
「やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ…」
「とはいっても、子供や孫って訳じゃ無いよ?君達の血筋の一人だよ」
「そんな事急に言われても…」
「遥か先の未来で時間も死も何もかも全て超越した先の未来だから限りなく血は薄いけどね…それに僕も元から神様になった訳じゃ無く上司から勧誘されただけなんだよね、丁度就職活動をしてた頃だし」
「そうなんだ…そんな先の未来でも就職活動とかあるんだ…」
「まぁそこはおいといて、世界には必ず防衛機構っていうのが備わってるんだ、わかりやすくすると世界が終わらない様にする為の抑止力とか言われる奴だね、僕もびっくりしたよ召喚に最適な人物を咄嗟に探したら、僕のご先祖様が居るんだもん」
「それで呼んだんですね…」
「それからは君も知る通り、君はたくさんの人と出会い邪神を打ち倒した」
「そこまではわかりました、でも何でメアリーに?」
「それはね、メアリーちゃんは邪神になる前、つまり人間の時期があったんだ」
「でも神様はさっきひと柱の存在を作るって言ってましたよね?」
「そうだね、僕は人に、数千年溜まった負の面を植え付けたりはしない。メアリーちゃんはこの世界でも、向こうの世界でない別の世界でつまり僕に戦争を仕掛けてきた神の世界で邪神の依り代として生贄にされた存在だったんだ」
その発言に俺達は黙るしかなくなった。
「僕も上司から報告で聞いたんだけど、その神の世界は1000年に一度、人の手で邪神の入れ物となる存在を作り、それに神がその世界の負を全て注ぎ込む。そうして生まれた邪神を浄化の神器を下賜した英雄の手によって殺されることで浄化を成す、多分僕より効率的なサイクルをやってるよ。僕は入れ物を作り、神にして神格を落とし勇者に倒させる、倒した後は新たなリソースになる。結局僕も自分の手を汚さずに浄化してるだけだからね」
その自嘲に俺達は何も言えないでいた。
「まあ、そんなんで浄化をしてるんだけど、今回邪神の力は優希君の頑張りで大部分が浄化された、でも邪神に組み込まれた向こうの神様の権能がこちらとあちらを繋いでしまった、前はぼかして言ったけど相手の神様の権能だから僕でも無理だったわけ、それでその時にも言ったけど善神として生まれ変えてしまうつもりだった魂、つまり最後に残った最初の入れ物としてのメアリーちゃんが可哀想で、丁度良く残ってた依り代に入れてみたんだ、それがメアリーちゃんが生まれた経緯だね、その後のメアリーちゃんの人生が邪神の負の側面の影響で悪くなるとは予想外だったけど…」
「そうだったんですね…神様聞いていいですか?」
「なんだいメアリーちゃん?」
「私の本当の両親は生きているんですか?」
「生きてはいないよ、君の家族は邪神を創りだす教団によって殺されてしまった」
「そうですか…」
「でも君のその名前【メアリー】という名は、本当の両親が付けてくれた名前だよ」
「え?」
それを聞いたメアリーが驚いた顔を上げる。
「依り代に移す前に君に植え付ける記憶を作るとき、妙に君の事が気になってね。君の元居た世界の新しい管理者に調べて貰ったから間違いないよ、だからねメアリーちゃん君は何も無くは無いよ、両親から貰った名前があるからね」
その言葉にメアリーの涙が堰を切って溢れ出した。
「うぐっ……ぐぅ……お父さん…お母さん…」
「あーうん…それとね…今の君になら返しても良いかな…」
神様は指パッチンを鳴らすと神様の手にチョコレートが一つ現れた。
「これは、君の前世の記憶。生まれてから邪神にされるまでの期間を閉じ込めたもの、もし取り戻したいと思うなら時間をかけてそれを食べて眠ると良いよ」
「ありがとうございます…」
そうして神様は俺の向き直る
「どうかな?これで知りたい事は大丈夫かな?」
「大丈夫です…でも信じられないなぁ…」
「何が?」
「いやぁ…神様が俺と耀の子供の子孫だなんて」
「それは私も思った、信じられるかと聞かれると首を傾げるけどね…」
「えー信じてくれないんだ…じゃあ本当の僕の姿を見せるしか…」
そう言って神様は光に包まれる、すると中から出てきたのは耀にそっくりな顔立ちの女の子だった。
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