第12話:五色の華と夕食会④

何故か突然厳徳さんとの謎バトルが展開された後、皆席に着く。


「そういえば厳徳おじいちゃん、巴ちゃんは?」


そう言いながら厳徳さんは時計を見る。


「多分、もうそろそろ到着するぞ」


その言葉と同時にノックの音がした、そしてばあやさんと共に入ってくる巴ちゃんの姿が目に入って来た。


「わぁ…」


「すっご…」


「これは…強敵ね…」


入って来た巴ちゃんは、赤色のナイトドレスで胸元からお腹までざっくりとスリットが入っていてとても大きなものを惜しげも無く強調している、15歳とは思えないレベルでの大きさである。


髪の毛は緩くウェーブされておりいつもの控えめにするおさげとは違い華やかさを重視している、その為だろうか身長は耀と比べると少し低くめなのだが大人の色気がとてつもなく出ている。


端的に言えばとてつもなくエロい、耀もそれなりにやばかったけどそこをおされると特にやばい。


そうして伏せていた目と目が合う、感想なんて大人びた格好だねくらいしか出てこない…頭の中身が7割おっぱいに支配されているのだ。


「あっ、あまりみられると…恥ずかしいです…」


寄せて上げるな!腕を組むな!まろび出る!出る!


「う…うん、ゴメン巴ちゃん…」


「うーむ小僧、お主初心すぎんか?ワシ心配になるぞ」


「そ、そりゃこんなきれいな子が居たら照れますって」


「そうゆうものかのう…お主童貞か?」


髭を擦りながらニヤニヤする厳徳さん


あのテンプレの「ど、童貞ちゃうわ!」で返したいが返したら俺の命が無くなるだろうなので返せない…まだ死にたくないわ!


「うっ…そうですが…」


「ははは」


「そう言ってからかっておっしゃる御当主様も初めてのお見合いの際は、右手と右足が同時に出て、それでいてお茶はひっくり返すわ、自己紹介で噛むわ、お相手の名前は間違えるわで散々でしたが……」


「何故さっきからばあやはワシの赤裸々な過去を穿るのぉ!?」


「いえ、私は御当主様が、碌な調べもせずお嬢様のお見合い相手にあんな男性を選び、あまつさえ乱暴されかけた事に怒りなんて覚えてませんよ?」


「絶対、怒ってるよねそれ…」


「まあまあ。ばあや、そのくらいで…」


宥める様に巴ちゃんが援護射撃をする。


すると調子に乗った厳徳さんが「流石ワシの愛しの孫!」と言い始めたので巴ちゃんが「私はまだ許してませんから御爺様にお父様」と広範囲爆撃をかましている。


それを見て簪さんが「あの子も度胸がついて紡家の女らしくなってきたわね」とほくほくしている。


「ともかく、皆様方お料理が来ましたので。先に御夕食を食べてしまいましょう」


ばあやさんがてきぱきと料理をワゴンより出し、皆の前に並べていく。


「オホン…それでは皆の者グラスを持ってくれるか?」


厳徳さんの一声でグラスを持つ。


「先ずは食事を楽しもう…乾杯」


「「「「「乾杯(かんぱーい)」」」」」


運ばれてきた料理は和と洋の混合コースでここに来ると厳徳さんが毎回食べるコースらしい。


前菜・スープ・魚料理として生の寿司と創作寿司のセット・A5ランクのステーキ、最後にデザートを食べ終える。


◇◆◇◆

それから少し歓談をした後、俺と厳徳さんだけ部屋に残り耀や巴ちゃん達は別の部屋に通されていった。


ちなみに方厳さんはバーへ飲み直しに行くと言って出て行った。


「さて、それでは小僧ここからはまともな話だ」


物凄く神妙な顔つきで声を掛けてきた。


「ごくり……わかりました……」


俺と厳徳さんの間に緊張した空気が流れる…


「そうだな」


「はい」


「まず、結婚式は神前式でやるか?それとも教会式でやるか?」


俺はこけた、お笑い芸人も満点くれる程のずっこけをした。


「いてて…確かに大事ですが、そこまで神妙な顔つきで言いますか?」


「そりゃそうだろう!大事な孫の!ましてやその友達もやる結婚式だぞ!」


「真剣にならない爺がどこにいるか!!!!!!!」


そう断言する厳徳さんの目はとてつもなくマジだった。


「わかりました…ならこうしましょう…」


「なんじゃ、建設的な意見でも出せるのか?小僧に!」


「結婚式を複数回やりましょう」


「そ、それは!卑怯じゃろその提案は!」


「いいえ、耀や春華に冬華、それに巴ちゃんも好みが違うんですよ?だったらやりましょう、とゆうか各々友達が違うので一堂に会するのも大変でしょうし、だったらそれぞれと結婚式をしようと思います」


「一回目は耀、二回目は春華か冬華、ここは二人で話し合ってもらいます。三回目はやりなかった方、四回目は巴ちゃんとゆうか柊家主催で、5回目は全員纏めてでやります、そうすれば厳徳さんの意見も取り入れられるでしょうし、皆の好きな形で出来ますから」


「うむむ、確かにいい考えだ、わかった。それでな、お主に謝らないといけない事がある」


「なんですか、改まって?」


「勝手に巴と結婚だとかをいきなり言い始めた事だ」


少しバツが悪そうに厳徳さんは言う。



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あとがき



作者です。

10万7千PV超えました!久々に日間1000PV超えましたよ!


本日も読んでいただきありがとうございます!


♡もブクマも感想も!ありがとうございます!

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