第26話:救出作戦前夜②

綴さんに連れられ小さめの宴会場へ入るとさっき出会い頭にパンツを見た女性とそのパーティーメンバーの4人が居た。


「「あぁー!さっきの!」」


と同時に声が出た、いやお約束かよ…うん、お約束でしたわ…


「あれ?まさか優希君、鈴香りんかちゃんと会ってたの?」


「ええっと…」


鈴香さんの方を見ると目が吊り上がり殺気が駄々洩れだった、目で「さっきの見た事は言うんじゃねぇ」といった雰囲気だ…しかも俺を殴った右手には包帯が巻かれている。


「えぇっとですね、先程曲がり角でぶつかってしまったんですよ、その時転んでしまい右手を怪我させてしまって…」


「えぇ…優希女の子に怪我させたの?」


「いや、後で綴さんに許可貰って回復魔法使おうと思ったんだよ」


「あぁ…だから鈴香ちゃん包帯巻いてたのね…どの道優希君に治してもらう予定だったし。ごめんね優希君、前に私が意識のある人や重傷者以外に勝手に使わない様に言ってたの守ってくれたんだね」


「治してもらうって…その彼に何が出来るんですか?」


「まだ言ってなかったわね、彼は回復魔法から攻撃魔法まで扱える私の秘蔵っ子よ」


そう言う綴さんを鈴香さんは可哀想な物を見るような目で見る。


「わかりました、このままじゃ明日の救出作戦に影響は、あまりないと思いますが、万全ではないですから、本当に彼が治せるなら治してもらいましょう」


訝しげに俺を見る鈴香さん、まあいきなり世界に一人しかない魔法使い差し置いてぽっと出の男が回復魔法を使うなんて信じられないよな。


「そうゆう訳で、優希君!後は任せた!ほかの皆は席に着く!料理が冷めちゃう!自己紹介はその後よ」


「わかりました、えっと…」


「神楽坂鈴香」


「神楽坂さん、よろしく」


「私はそこまでよろしくするつもりは無いけど、一応同じ学校になるから最低限はよろしく」


「じゃあ、とりあえず痛い部分は、拳?手首?」


「手首ね、全力では無いけど殴ったのに貴方ピンピンしてるのね」


「痛かったけど、まあ回復できるし」


「チッ、そういえばそうゆう設定だったわね」


「いやいや、設定じゃないから…治しちゃうね」


(手首だけとか言ってるけど…全身治しちゃえ…)


「私の前で傷付きし者、私の力をもって傷ついた体を癒やせ」————ハイヒール


短縮詠唱だけど体全身が治るように想像して使う。


「えぇ…嘘、手の痛みから体全体の痛みまで…全部無くなってる…」


「はい、これで終わり。どう?体は楽になった?」


「えぇ…ありがとうございます、それと先程は黙っていてくれてありがとうございます」


「それは俺が全面的に悪いからね、注意して歩いていれば良かったし、それにすぐに助け起こせば神楽坂さんに嫌な思いもさせずに済んだだろうし」


「そこは私も不注意があったと言っているでしょう、それに先程は喰ってかかってしまい申し訳ありません」


そう言うと神楽坂さんは丁寧に頭を下げた。


「こちらこそ、色々と申し訳なかった」


頭を下げる、すると頭の上から神楽坂さんが笑う声が聞こえた。


頭を上げるとくすくすと朗らかに笑っていた。


「いや、ごめんなさい。私の周りの人間には自分に過失があっても、才能があるから悪くない、寧ろ悪いのは力も才能も無い奴だ、そんな事を言ったり考えたりする人ばかりでして…悪意は無いんです」


「そうか、まぁ俺は自分が悪いと思ったら謝るからなぁ…そんな人は身近には居なかったな、とゆうかそんな人居るんだな…」


「学校なんかじゃそんな人居ないのだけれど…家庭環境的にもそうゆう自信家が多いんですよ」


肩を落として溜息をつく神楽坂さん、俺にには想像できないけど大変なんだろうな。


「っとす、つい愚痴を言ってしまいました、あまり話し込むと食事が冷めてしまうでしょうから戻りましょうか」


「そうですね、戻りましょう」


その後割り当てられた席に座ると隣の耀が待ってましたと声を掛けて来る


「あぁ、終わった?もう私お腹ぺこぺこだよー」


「優希お兄さんおかえりなさい」


「おにーちゃんおかー」


「あれ?皆待っててくれたのか?」


「まぁねーさぁ食べましょう」


「「「いただきます」」」


見事な懐石料理で溶岩焼きからお刺身まで更には洋風の小皿まである、デザートは地元のフルーツを使ったゼリーだ。


その美味しさに三人で舌鼓を打ちながら堪能した。



◇◆◇◆

「そろそろ皆食べ終わった?」


全員が「はーい」と返す。


「じゃあ明日の確認ね。」


綴さんは持ってきた資料を皆に手渡す、しおりって普通旅行前に渡すでしょ…


「明日の午前9時に旅館前に集合、そこからバスで移動するわ、荷物は置いといて良いわよ。ダンジョン迄10分で到着したら仮設の休憩所で着替えてね、優希君は悪いけどバスの中でお願い。」


「わかりましたー」


「それから周辺封鎖やドローンの配置して10時にはダンジョンに入るわ、以上!後は皆自己紹介をしてね」


そうして各々自己紹介をしていく、神楽組の子は神楽坂さんの他に天春あまがす すみれ夏風かふう あお秋谷あきや くれない冬爪ふゆづめ みどりの5人だ。


こちらは俺、耀、春華、冬華の4人の紹介をしていき各々の自己紹介を終わらせる。


「よし、終わったね。今日は解散するわよー明日も早いし。それと、神楽組の子達は優希君に回復しといてもらってね。」


「はい!」「はいはい」「はーい」「……んっ(コクリ)」「お任せしました」


それから4人を治すと解散となり部屋に向かう、戻った部屋は一人きりだったので少し寂しく感じてしまった。


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あとがき


作者です。

今章では新ヒロイン出さないとは言ったな!(言ってない)あれは嘘だ!

とゆう訳で次章のヒロインここで出します。

塩梅が難しいですが当たりの強いヒロイン目指して頑張ります!

人物紹介の更新は明後日になります(新キャラ纏めてやりますので下書きに戻すかもです)。


8万2千PV超えました!毎日ありがとうございます!

♡1600超え!ありがとうございます!

☆つけてくれてありがとうございます!


フォロー860超えました!ゆっくりですが増えてるの感謝!


順位更新されました!

週間127位

総合451位

日間165位

月間124位

下がり調子ですね一時期原因不明の謎のブーストがあったんですよね…まあ順当に書いてたらここまで伸びてないと思うので感謝です!


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