第5話:父さんとお義父さんとお義父さん

 それから姫華さんに冬華は回収されていった、そして俺は鷲司さんに「ついてこい」と言われ道場までやってきていた。


 そして門下生が次々に「師範!お疲れ様です!」と次々に頭を下げる。


 そうして壁に掛けられてる刀を取るとこちらに手渡してくる…模造刀だよねこれ?


 心配していると鷲司さんは「刃引きしてある心配するな」と言ってきた、いやいや俺今日退院したばかりだよ?


 鷲司さんはもう一つの模造刀を持ち道場の中央へ歩く、これはもう逃げれないよね…


 諦めつつ中央へ行くと「構えろ」と言われ始めて握る刀の感触を確かめていると「行くぞ」と言われた。


 瞬きする間もなく鷲司さんの刀が眼前に迫っていた、慌てて構えるが簡単にはたき落とされてしまった。


「――――――っつぅ」


 じーんと手が痺れてしまう。


「拾え」


 鷲司さんは冷たい声で言い放つ。


 その後拾っては横凪で弾かれ、袈裟切りで叩き落され、切り上げで刀を吹き飛ばされ、距離を取ったら居合いで弾き飛ばされた。


 段々と鷲司さんの攻撃に対して見よう見真似で返してく、そうすると鷲司さんはニヤリと笑い速度を速める、それから2時間くらいだろうか…足技や投げられも加えられ、ひたすらにぼこぼこにされた。


「よし、いいだろう」


 その言葉と共に鷲司さんが切り上げる。


「ついて来い」


 回復魔法を掛け立ち上がりついて行くと道場の隅の倉庫に入る、中には電子キーが備え付けられた扉がある鷲司さんは開錠する。


 中に入ると本物の刀剣類だろうか、年代物の武器が様々に置いてあった。


 その中で一番奥に飾られている4刀の刀の内一振りを取り出すと手渡ししてくる。


「俺の父上より受け継いだ刀の一つだ持って行け」


「そんな、悪いですよ貰えません!」


「いい、これを優希君が持ってくれると俺も父上もうれしい、これは春華と冬華の誕生の際に父上が打った刀でな、他の3刀の内2刀は春華と冬華の為の物なんだ」


「それなら尚更受け取れません」


「いいんだ、その一振はあの子達の夫になる人にと父上が打ったんだ」


 手の中の刀を抜いて見る、美しい波紋があるがそんな話を聞いたからだろうか、何処と無く温かみを感じる。


「その刀はきっと優希君を守ってくれるだろう、そして二人を頼む、これを託すのは父上の意思でもあるんでな」


「わかりました、ありがたく頂戴します」


 そうして鷲司さんはやさしく微笑むともう一振りの刀を手渡してくる、華美な装飾の無い唾の無い短刀だ。


「これは君に渡しておく守り刀だ、お守りのようなものなので使うことは無いだろうが持っておきなさい」


「ありがとうございます、大切にします」


「それじゃあ戻ろうか、皆も心配しているだろう」


 ◇◆◇◆

「おう、優希戻ったか」「優希君お帰り」「ユウキ君お帰りなさい」「優希おかえり」「優希君おかえり~」

「「優希おにーさん(ちゃん)おかえりなさい」」

「優希おかえり」

 と口々に言ってくれる。

 皆すっかりくつろいでる…


 鷲司さんは父さんと誠吾さんの前に行くと


「慎司さん、誠吾さん、うちの娘達を頼みます」


 真っ直ぐに伸ばした背を折り頭を下げた。


「鷲司さん、こちらもうちの馬鹿息子をよろしくお願いします」


「鷲司さん、うちの娘もお世話になるかと思いますのでよろしくお願いします」


 そう言って父さんとお義父さんが頭を下げる。


 そう皆で頭を下げていると姫華さんが「御目出度いことなので皆でお祝いしましょう!」と言って立ち上る、うちの母さんとエリナさんも立ち上がり「お手伝いします~」「わたしも~」と言って姫華さんへ付いていった恐らくキッチンがあるのだろう。


 何時の間にか父親集団は「先にお風呂入りますか?我が家は大浴場がありますので」「大浴場ですか、いいですねぇー」「皆で背中流しましょう!」と連れ立って廊下へ行ってしまった。


 残されたのは耀、春華、冬華と俺の4人だ。


 さて…どうしたもんかな…と思ってると左右からの衝撃を受けた。


「ちょ…春華?、冬華もどうした?」


 二人に抱きつかれ戸惑っていると耀もこちらへやって来る。


「その子達ずーーーーっと心配してたんだから、少しは甘んじて受けなさい」


 泣いてはいないようだが、二人共元気が無い様子だった。


(仕方ない、恥ずかしいけど受け入れるしか無いか)


 それから10分ほどしてやっと二人は離れてくれた、美少女二人にくっつかれるのは嬉しいが本当に恥ずかしい、これでも思春期男子だぞ。


 しかしそこで終わるわけも無く、今度は私の番とばかりに耀に引き倒される。


 完全に膝枕の体制だ、そうして自然に頭を撫でられる。


「ちょ耀…」


「だーめ、私だって心配したんだからこれくらいしてもばち当たらないでしょ」


「お、おう。すまん心配かけた」


 そう謝ると胸で顔が見づらいが喜んでいるようだった。



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 あとがき

 11/26追記、ご質問ありましたので補足を。

 主人公が鷲司さんにやられた理由ですが。

 主人公の勇者時代は片手剣と盾の、片方防御の片方攻撃の動きで、両手剣や甲冑で受ける戦い方はしていなかったんです。


 聖剣や姫様から送られた剣も両刃の片手剣でそれを使っていたので盾を使わない両手剣の戦いは出来なかったんです。


 それと主人公はちゃんとした対人の剣術を学んで無い、というより対魔物の剣術特化でしたので、それに師匠役の女剣士とは剣と盾での戦闘でしたから。


 鷲司さんの様な刀やそれに付随した武道の達人は、主人公からすると未知の相手になるんですね。


 目は良いので動きを学べるのですがそれに対応した動きが出来ない=身体が追い付かないというやつです。


 作者です。8500PV超えました!!、昨日に続き日間1000PVも突破!!!(記録更新しました)

 ☆くれる方♥くれる方本当にうれしいです!

 ブクマつけてくれるかたありがとうございます!

 日刊147位、週間164位までジャンプアップしました!皆様のおかげです!



 そろそろ作品についての質問回とかやった方が良いんですかね?



 今現在は9話を書いております、なんとか3ストックは維持できています…

 メモがてら頭で構築してた2章の重要な部分書いてたらゴリッゴリに書いてまして…

 駄目だと思うんですけど割りと感情任せに書いてたりします、とゆうわけでそこに至るまでを道筋立てて書いていこうと思います。

 暖かく見守ってて下さい。







 最後に…

 大きい家のお風呂とはいえ自宅用なので男女別では無いのですよ(ボソッ

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