かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第242話 巨乳美女を守る会本部へとやって来る
第242話 巨乳美女を守る会本部へとやって来る
それから車に乗って彼ら、巨乳美女を守る会の本部へとやって来る。
「こ、ここが……」
巨大な門。
その先には高層ビルがそびえ立っていた。
「本当にここが会の本部なのか?」
「はい」
「一応、反体制組織だろう? こんなに目立つ建物で大丈夫なのか?」
「表向きは宗教団体の施設ということになっています。会の主な本部機能は地下にありますので、機甲警察に知られることはありません」
「なるほど」
まさかこれほど大きな組織だったとは。
巨乳美女を敬う力はやはりすごい。
「本部って雑居ビルの一室かなんかだと思ってたのに、なんかすごいね」
「アカネちゃんのような巨乳美女を崇め奉る力はそれだけ大きいってことさ」
「よくわかんない……」
「そ、そう?」
俺はアカネちゃんを偉大な存在だと思っているが、本人にはあまり自覚が無いらしい。
「わしも胸は……」
「い、いや雪華はいいからっ!」
でかくなろうとしているのを察した俺は慌てて雪華を止める。
また服を破いて半裸になられては大変だ。
「では中にご案内いたします」
「ああ」
車を降りて門を通り、建物の中へと入る。
「本部は地下1階か?」
エレベーターの階数表示を見てそう思う。
「いえ。少々お待ちください」
エレベーター内へ入り、諏訪はリモコンのような物を取り出して操作する。
「さあどうぞ」
「うん」
エレベーターに乗る……と、
「うん?」
B1まで下がってもエレベーターは止まらない。さらに下がり続けた。
やがてエレベーターは止まり、扉が開く。
「こちらが本部になります」
「なるほど。なんらかの操作が無ければ来ることはできない地下階か」
隠れて活動をしているならば、このような作りになっているのは当然であった。
エレベーターを降りてしばらく通路を進み、広い部屋へと通される。
「おお」
そこにあったのは会社のオフィスみたいな場所だ。
そこかしこで大勢が忙しそうに働いている様子が見えた。
「みんな、少し手を止めて集まってくれ」
諏訪の言葉に皆が作業をやめ、俺たちの前に集まって来る。
「お、おおっ! 巨乳美女様だっ!」
そしてアカネちゃんを拝み始めた。
「だからそれやめてってのっ!」
「申し訳ございません。みんな、アカネ様の隣におられるのが例の白面さんだ」
「あ、あなたがっ。では新会長に……」
「うん。若輩者だがよろしく頼む」
「おおっ! 我らのほうこそよろしくお願いいたしますっ! 会長っ!」
そう言って全員が一斉に頭を下げた。
巨乳美女を守る会の会長。
魔王よりもこっちのほうが俺には合っていたかもしれない。
「のう、わしは力を集合させる装置の研究を見せてほしいんじゃが」
「わかりました。ではこちらへどうぞ」
諏訪に案内され、今度は研究所のような設備のある部屋へ連れて行かれる。
「あれが我らの研究している集合装置です」
「あれは……」
施設の中心に巨大な筒状のガラスがあり、その中に光り輝く物があった。
「装置って……なんか光ってるだけじゃん? どういうこと?」
「力を集合させる装置は、装置と言っても機械的な物じゃないんだ。どういう風にできているかは知らないけど、あれを体内へ収めることで神が行使した力をの残滓を魔王の力として使用できるようになるんだ」
「つまりあれが魔王の力の核になるってことなんだね」
「そういうこと」
見た目では完成したものと相違は無いが……。
「しかしこれはまだ力を集合させることはできません。理論的にはこれで力を集めることができるはずなのですが……」
「うーん……」
俺はその完成品を身体に収めていた。しかしあれがどういう構造なのかはわからない。研究の助けになることはできそうになかった。
「……ふむ」
いつの間にか雪華は側にあるコンピューターをいじっていた。
「雪華、勝手にいじっちゃダメだよ」
「だいたいわかったのじゃ」
「えっ?」
「これがなんで正常に稼働しないかがわかったのじゃ」
「そ、そうなのか? けどお前、研究者だけど、わかるもんなのか?」
「専門外じゃ。しかし……ふむ。奇妙じゃな。なぜかわかるのじゃ」
小首を傾げて雪華は言う。
研究者として勘……いや、そういう感じでもない。ひらめきかなにかだろうか。
「わしのスキルは魔粒子を吸収するものじゃからのう。力の集合装置と似ておるから、なんとなくわかるのかもの」
「そうなのかな?」
まあ他に明確な理由も思いつかないし、そうだと思うしかなかった。
「わ、わかるのですか? このような幼い子供が……」
「わしは子供では無い」
「うわーもうっ!」
大人になった雪華へ慌ててシーツを被せる。
もしものときのために持って来ておいてよかった……。
とりあえずシーツを結んでドレスのようにし、服っぽく見せるようにした。
「おおっ! 巨乳美女様だっ!」
そして研究員たちが集まって来て雪華を拝み出す。
「悪くない気分じゃ」
「それよりも雪華、わかるなら研究を任せてもいいか?」
千年魔導士が探している試作品がいつ見つかるかもわからない。完成させることができるならば、こっちに期待したほうがいいだろう。
「任せるのじゃ」
「頼んだ」
これでイレイアとの戦いに勝てる可能性がグッと高くなった。巨乳美女たちを迫害から救える日も近いだろう
――――――――――――
お読みいただきありがとうございます。
思っていたよりも巨大な組織で新会長も驚きな模様。これだけでかいと会の活動資金も多額になりそうです。
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よろしくお願いいたします。
次回は2人目の大陸魔王が登場します。
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