かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第27話 強力な装備を求めて(小田原智視点)
第27話 強力な装備を求めて(小田原智視点)
謹慎中の智はスキル付きの強力な武具やアクセサリーを買い集めようと、ネットの通販サイトやオークションサイトを覗いていたが、
「クソっ!」
どれも高過ぎて手が出せない。
スキルがついているというだけで高価だ。
強力なスキルがついている武具やアクセサリーなど、何億円もするのがほとんどで、智の持っている金で買えるものではなかった。
「こんなに高いのかよっ!」
命懸けで深層まで行く奴がいるわけだ。
強力な魔物なら素材だけで数千万円もする。
それらで作られる武具やアクセサリーならば数億円だ。
レイカーズにいるときは下級ハンターの女を押さえつけられるくらいに強ければよかった。強くなることにそれほど興味が無かったため、強いスキル付きの武具やアクセサリー、それらを作る素材までがこれほど高価だとは知らなかった。
「こんなにたけーんじゃさすがに手が出せないな」
智の家もそこそこ金持ちだ。
しかし数千万円、数億円のものを気軽に買えるほどではない。
「どうする……?」
買えないってことはない。
しかしこんな金額を使えば父親からどんな目に遭わされるか。
下手をすれば勘当だ。しかも無理して強力なスキルの付いている武具かアクセサリーを買っても、仮面野郎に勝てるとは限らない。
買うのはリスクが大き過ぎる。
となれば、自分でダンジョンへ行って素材を獲って来るしかないのだが。
シルバー級の智では深層の魔物は倒せない。深層へ行って素材を獲るには協力者が必要だ。
「上級のハンターを雇うか……いや、それも金がかかるか」
熟考した末、智はある人物へ思い当たる。
「大学のときの……
大学のダンジョン探索サークルにやたら強い先輩がいた。
友人がそのサークルに入っていたことで知り合い、何度か飲みに連れて行かれたが、卒業してからはなにをしているかは知らない。
結構、悪い先輩で、当たり前のように路上で立ちションするわ平気で交通違反するわ他人に絡んで喧嘩して相手を病院送りにするわ、よく大学を退学にならなかったものだ。
そういえば親が偉い政治家とか聞いたような気もするが、そのあたりのことはよく知らない。
「確かまだ電話番号は残っていたはず」
スマホの電話帳をタップして寺平の名を探す。
「……あった」
当時はゴールド級のほぼ最下位だったが、もしかすればさらに上のクラスになっているかもしれない。
もしそうなら昔のよしみで深層の魔物狩りを手伝ってもらえないだろうか。
それに期待した智は寺平へと電話をかける。
3コールほどして、相手は出た。
「もしもし……?」
「あ、寺平さんですか? 俺っす。大学で後輩だった小田原っす。宮野の友達でたまに飲みに連れて行ってもらった……」
「おお、小田原か。覚えてる覚えてる。久しぶりだな。どうした?」
「いやぁ、その、ぶしつけっすけど、寺平さんハンターはまだ続けてますか?」
「ん? おう。まあな。専業でやってるよ」
「マジすか? 専業ってことはハンターのクラスもだいぶ上がったんすか?」
「おう。聞いて驚くな。プラチナ級だぜ」
「マジすかっ!」
プラチナ級なら藤河原より上だ。
これならなんとかなるかもしれない。
「おう。順位はそんなに高くねーけどな」
「あ、あの寺平先輩、ちょっとお願いしたいことが……」
「うん? なんだ?」
「実は俺、深層に素材を獲りに行きたいんすけど、まだシルバー級でちょっと不安なんすよ。それで寺平先輩に一緒に行ってもらえたらって思って……」
「なるほどな。それで、いくら出せる?」
「えっ?」
「えっ? じゃねーよ。まさかただで手伝ってもらおうと思ってたのか? プラチナ級を雇うんなら、それなりに払ってもらわねーとな」
「そ、そうすね」
さすがにただは無理か。
そこまで都合良く考えてはいなかったが。
「まあ昔のよしみだ。安くしといてやるよ」
「マ、マジっすかっ! あざすっ! じゃあ……」
金額を伝えて納得してもらい、後日に智は寺平とダンジョンへ行くことになった。
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