閑話 そのころ皇太子たちは
〜中央学院・どこかの小部屋・放課後〜
毎週一回、この部屋に事情を知るものを集めて情報を共有している。なにか起きたときに迅速に対応するための会議なのだが...
「驚くほど何も起きないな」
「ですね、ゲームであればもういくつもアクションがある筈なのですが」
僕のぼやきに答えたのはグレクだ。
容姿は黒髪短髪に身長が高い。顔や体つきは言わずもがなで、身長が僕より高く少し羨ましい。
それはそうとして、この2ヶ月間ゲームで起きていたことがほっとんどなにも起きないのだ。主人公のファン組織が形成されたのは確認しているし、厄介なファンたちが色々と画策してれのも知ってるが、本人の行動が無いのだ。
いやもちろん授業には出ているし成績も優秀だが放課後はいつもどこかに消えている。調べても調べても足取りが変に途絶えて消えるんだ。
「あいつらに連絡はしねぇのか?」
こいつはクロムウェル、こいつも僕より身長が高いしここの誰よりも高いだろう、赤髪短髪で顔は言わずもがな整っているし、体つきが一番いい。剣の腕もこいつが一番立つ。
で、こいつがいうあいつらは学院開始直前になって急に入学することになった新たに帝国領に組み込まれた別銀河の子爵とその部下たちのことだ。ああ、魔法が使えるのが羨ましい。楽したいよー。あとあいつは何がしたいのかよくわからんのもあるから信用はしきれてはいないが同じ転生者ってのもあって、話してみた感じからもそれなりに信頼はおいてる。
「しない、ズルしてる気分になるだろ?それに今の所大きな問題も起きてないししばらくはいい」
「それもそうだな、ま、やべーことにならなきゃ平気か」
今日は珍しく男子三人の集まりだ、クーリス達はお茶会があるとかで不参加である。
「ですね、あと、調べた限りここ二ヶ月ほどどの放課後に起こるはずのイベントが全て起きていません我々、その他攻略キャラ含め全員です」
グレクの報告を聞くと二人とも困惑した顔になる。自分たちのイベントは全然起きないから他のキャラに行ってるのかと思っていたが誰にも行ってないのは意味がわからない。
もしや主人公も転生者でだれとも一緒になる気が無いというとかと考えてしまう。だがどう見ても本人だし成長途中に大きく性格が変わったなどといったことも無かったからあり得んだろう。
だとすればショール子爵が何か動いたのか?いや無いだろう、自分から自分たちから積極的に動くことはないと明言しているのだし...気が変わった可能性はあるがわからん。
「放課後の主人公の足取りをもっと詳しく追ってみるか、頼めるか?」
「ええ、わかりました。やってみましょう、報告は次回で?」
「ああ、いつもどおりに頼む」
諜報関連はこいつに頼めばミスは無いからよく頼んでいる。
子爵が関わってたら流石に聞きにいくか。嫌な予感はしないがそうじゃない別の不安な感じはするから確認はしたいしな。
ーーーーー
そのころ天空城では。
「この先の教育方針どうしましょうかねぇ...」
「私はもっと色んな魔法を教えてほしいです!」
「それもいいんだけどもうフィーアは大体の魔法は使えちゃうし自分で魔法を作れちゃうでしょ?魔法陣についてもそれなりに教えたし...そうなると自分で魔法を作って色々やったほうがいいのよねぇ...だから教えることが殆ど無くなっちゃった」
「むぅ...なら魔法をたくさん作りますのでアドバイスをください!」
「それならいつでもするわよ」
「やったー!」
「あ、そうだ、フィーアはどんな杖を使いたい?」
「杖...ですか?棒の?」
「別に形状は自由よ、私の場合はこのピアスだしね。まぁわかりやすいから杖状のものもそれなりに在庫にあるわ、それでもいろいろな形があるし」
「んーそれじゃあルミナちゃんと同じのがいい!」
「そう?じゃ1週間くらいで色々と作っておくから選んでね」
「え!?ルミナちゃんが作るの?」
「そうよー私の本業はものづくりなんだから!」
「すごい!楽しみー!」
◇◇◇◇◇
前回から1週間ちょいかー書くペース戻ってきたかも?それとも閑話だからなぁ?
あ、閑話別のがもう一話続きます。
良ければ♡や☆やコメント頂けるととても嬉しいです!自分のモチベ維持のためにも!
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