第20話 友達カラ親友

 美華と動物園に行った一週間後、ついに私は学校にいくことにした。


彼女と動物園に行き、誰にも言えなかった事をいっぱい話したことで、たくさんの涙を流し、少し気持ちもスッキリとした私。


実はこの一週間、美華は毎日私の家に遊びに来てくれていた。


あの日から彼女は私に触れてくる事はなかったが、その日学校であった事や、私の圭に対する気持ちをたくさん聞いてくれて。


彼女だって私と圭の話なんか本当は聞きたくもないだろう。


なのに私にとっていい選択ができるようたくさんのアドバイスをくれた。

たまに冗談を言ってくれる彼女が唯一の救い。


 「私は唯愛にフラれちゃったけど、唯愛はまだ圭先生にフラれたわけじゃないからね!」

こうゆうこともあっさりと言ってくれる。


そう言いながらも少しずつ受け止めてようとしているのかもしれない。


でも彼女とは前よりも仲良くなった。


今まで私も言いたいこと言えなかったけれど、少しずつだが言えるようになってきている。


このように親友以上となった二人のなかで出した答えが、そう。


彼と向き合い、きちんと彼の本音を聞こうという事になった。


学校ではお互い話せないだろうから、まずはアポをしっかりと取り、学校外で会って話す。

その為にまずは、直接誘う事はトラウマとなってしまっている為、美華から誘ってもらうようにした。



 そして久しぶりの学校。

彼とあの人のキスを見て以来の登校だ。

正直思い出すだけで足がすくみ門を通る事すらできない。


でも以前とは違う。


私には美華がいる。


 美華「大丈夫!私がいるから」

彼女は何度も私の様子を伺ってはそう言ってくれた。


そして美華のおかげで門をくぐり教室に向かう。


 すると、廊下の先からあの"ゆみ先生"が現れた。


先生は私に気づき。まるですごく心配していたかのように私の方に駆け寄ってくる。


 「唯愛さん。心配してたんだけど元気だった?体調悪いって聞いてたけどもう大丈夫なの?」

私は先生の声すら聞きたくなかった。

男性に対し色目を使い、どこか頼りなく甘えたな雰囲気で男を虜にしようとするのが見え見えなその口調。

私は吐きそうになった。


 すると美華が、


 「先生、私たち高校生に嫉妬してるんですか?言ってる事と顔の表情全然嚙み合ってないですよ。それは歳のせいですか?」

私には言えない凄い事をいとも簡単に先生に言い放った。


その言葉を聞いた先生は図星をつかれたのか、誰にでもわかる苦笑いをしその場を立ち去っていった。


 唯愛「美華。ありがとう」


 美華「こんなの全然大したことないよっ!色んなネタ考えてるんだから。私に任せて!」

彼女はそお言って私に笑顔をくれた。


正直美華がいなかったら私はどうなっていたかわからない。

前と同じで、その場で倒れ、前より学校に行けなくなっていたのかもしれない。


美華の気持ちの強さを実感した私は、教室に入り席に着いた。


もう少ししたら、先生が来る...。


朝礼の時間前、隣にいた美華はずっと私の手を握ってくれていた。


そしてチャイムが鳴り、朝礼が始まる。


 ガラッ!


ゆっくりと教室のドアが開く。

開けたドアから小人の部屋に入るように頭を傾け彼が入ってきた。


圭だ...。

 

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