第6章277話:情報

数分後。


泣きやんだミフォルトさん。


彼は、落ち着いた様子で言ってくる。


「ぜひ、今回の件に関してお礼をさせてほしい」


お礼か。


私は言った。


「でしたら私が探してる素材について、情報をいただきたいです。もし既に持っているなら、頂戴できればと」


ミフォルトさんは召喚王。


アーティファクトの素材も、もしかしたら持っているかもしれないと期待が湧く。


ミフォルトさんが聞いてきた。


「ふむ、どんな素材なんだ?」


私は素材の名を告げた。




魔宝玉

ハイエルフの法杖

氷竜の魔石

浄化石じょうかいし




足りてないアーティファクト素材は、以上の四つである。


ミフォルトさんが申し訳なさそうに言ってきた。


「すまない。どれも持ち合わせていないようだ」


「そうですか……」


「がっかりさせてしまって、申し訳ない。ただ……入手場所については、いくつか心当たりがある」


「本当ですか?」


と、私は身を乗り出した。


ミフォルトさんはうなずき、答えた。


「ああ。まず氷竜ひょうりゅうの魔石だが……シュトラール雪国せつこくに、カルッザ大雪山だいせつざんと呼ばれる雪山ゆきやまが存在する」


「シュトラール雪国せつこく……」


「シュトラール雪国せつこくは、その名の通り、雪国ゆきぐにだ」


ミフォルトさんいわく。


シュトラール雪国は、ルフシャ砂漠国の北に存在する国で。


一年中、雪が降りしきる国。


常冬とこふゆの国だという。


「で、カルッザ大雪山は巨大な豪雪地帯ごうせつちたいに存在する山脈で、氷竜が棲むといわれている」


「なるほど」


「まあ、僕が実際に確認したわけではなく、ヒトから聞いた話だがな」


とミフォルトさんは補足した。


氷竜は、名前の通り、氷属性の竜である。


雪国や雪山の奥地に生息する可能性は高いだろう。


(シュトラール雪国……ここから北にある国か)


次の目的地になるかもしれないね。

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