花と与平
進藤 進
第1話 憧れの君
「ギャーハハッハー・・・」
喧騒が狭い民家に響いています。
むせるような汗と、酒の臭い。
祭り以外での酒の味に。
男達はこれでもかと、喉を鳴らしています。
女達は。
宴会の料理や配膳に追われ。
遠巻きに眺めています。
霞んだ視界の中で。
ポツンと花嫁が座っています。
花婿の与平は。
廻りの男達に勧められるまま。
酒を煽り。
心の中で叫んでいます。
≪なんて、メンコイおなごなんじゃ・・・≫
チラチラと、花を眺めながら張り裂けそうな歓びを噛みしめているのです。
細い肩先。
小さな、あご。
ふくよかな頬。
何もかも。
与平が憧れていた。
大好きな。
初恋の女の子。
それが。
花、なのですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます