第8話 早咲き桜が咲けば(4)
「よーし! 今日はもう少し冒険を続けてみるか」と。
私は独り言を漏らせば。
今まで停車していた。
自身の自転車のペダルをまた力強く踏み──ペダルを回転し始めだす。
「うぅ~ん、どっこいしょぉ! よっ、こらしょぉい!」とね。
私は力強くペダルをグルグル回し、勢いよく。
自身の自転車のスピードを上げ──。
生温かく、優しい春風の中を疾走していくのだ。
するとさ、私の目にね。
あるものが映るから。
「ああ、綺麗な【早咲き桜】の花が咲いている」と。
私は独り言を呟き。
「もう【早咲き桜】の時期なんだ……。本当に月日が経つのは早いなぁ……」と。
私は自身の自転車を素早く走らせながら歓喜、感無量……。
そして呟けば。
私の目の前に。
以前目にした桃の並木のような【早咲き桜】の並木が。
今度は私の両目、瞳に映ったのだった。
◇◇◇
(4)
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