第弐話 ムダ毛処理は女の子の嗜み
「お湯張りしている間に身体を洗えば良いかしらね」
【ピッ】
【お湯張りを開始します】
『なんじゃ!?今、そこから何者かの声が聞こえたぞ!?』
「これは、お風呂のお湯を張る機械の声よ」
『この国では喋る機械があるのか・・・』
「ほらほら、そんな驚いてないで、さっさと服を脱いでちょうだい」
『お、おう』
「アッ!そっか、そうよね・・・日本だって一般的になったのは戦後になってからだって言うし・・・」
『
「リシュナちゃん。この国ではね、女の子は身嗜みとしてムダ毛処理をするの。
説明されてもすぐに理解できないだろうから、とりあえず今からあたしのすることに抵抗しないでちょうだい」
『何をするんじゃ?』
「悪いようにはしないから・・・良いわね」
『こ、怖いの・・・わかった、奏にまかせるのじゃ』
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『何で毛なんかを気にするんじゃ?』
「この国で生活してたらわかるようになるわよ・・・」
『まぁ、くすぐったかったが、気持ちは良かったぞ』
「それは良かったわ。絵本から飛び出してきたような美少女なのにムダ毛はそのままだし、腋毛にVIOまでボーボーで・・・驚いたし、悲しくなったもの」
『奏はようわからんのう。逆に妾は湯がこんなに簡単に生み出せる機械がどこの家にもあるということに驚いたぞ』
「改めて見て思うけどリシュナちゃん、ほんと綺麗よね。これで髪や眉を整えて化粧までしたらどんなになってしまうのかしら。
まぁ、それは置いておいて出てからゆっくりお話しましょう」
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「・・・って感じね。あたしは隣で自分のことやっているから、理解らなかったら声を掛けて」
『わかったのじゃ』
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「奏、どうじゃ?
妾の喋り方、おかしくないか?」
タブレットで勉強をし始めてから30分程度しか経っていないのに流暢な日本語で話しかけてきた。
「えっ!?もう喋れるようになったの?」
「当たり前じゃ。妾は神託の魔女じゃぞ。言葉を覚えるなど容易いことじゃ」
リシュナちゃんは胸を反らして誇らしげに言い放った。さっきは身体を洗ったり、ムダ毛の処理をしていたからそれどころではなかったけど、胸も大きくEかFくらいある。完全無欠の完璧美女で今まで
まだお酒が残って・・・なんかいないわよね。まぁ、リシュナちゃんみたいな美女が無防備な状態でそこに居るのだから襲ってしまってもしょうがない・・・じゃなわよ!
とりあえず、状況を理解するのが先ね。日本語を覚えたのなら、説明してもらえるはず・・・なぁんて考えていたら、胃袋様が唐突に存在感をアピールする轟音を立てた。
「リシュナちゃんが来たことですっかり忘れていたけど、昼からずっとご飯を食べてなかったわ。
リシュナちゃんも食べるわよね?」
「それは助かるのじゃ。妾もお腹がぺこぺこになっていたのじゃ」
「わかったわ。でも、思いっきり手抜きだから味は期待しないでね」
「何でも良いぞ。妾はこう見えても道理を弁えておる。
こんな夜中に押しかけて豪勢な食事を用意しろなどと言うわけがなかろう」
「ありがと。見切りの半額弁当だけじゃ足りないから・・・買い置きのパスタで良いかな?」
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