僕の心のマグニチュード
懋助零
最初の出会い
第1話 不動の僕の心。
彼の名前は谷川 遥人。
昔、父と母を事故で亡くした。彼はその様子を一から見てしまっていたのだ。
それからというもの。彼は冷たく、何に対しても無関心な少年になってしまったのだ。
……でも、そんな彼の元に、彼の心を大きく揺らす少女が現れる。
____第1話 不動の僕の心。____
ピピピ……
スマホのアラームの音で僕は目を覚ます。
寝起きの重たい体を起こして、部屋の窓のカーテンを開ける。
今日は雲ひとつない綺麗な空だった。朝日が眩しい。
僕は目を擦りながら、大きなあくびをした。
顔を洗って着替えを済ませ、コンビニで買っていたおにぎりを冷蔵庫から取り出し、椅子に座る。
「…いただきます。」
手を合わせて一応言っておく。これも、遠い昔に母親から教わった事だからだ。
食べ終わり、通学カバンを持って家を出る。
鍵を閉める前、ふと家の中を見た。
誰もいない、暗い部屋。でも、僕にはこんな部屋がぴったりだった。
そんなことを考えながら、鍵を閉めるのであった。
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そして学校。
自分の教室、2ーCに入り、そそくさと席に座る。
一昨日の席替えで、僕は1番窓側の後ろになった。
そのため、授業中暇な時はよく空を眺めているのだ。ほんとに一昨日の僕はついていたと思う。
僕は快晴の空を眺めながらぼーっとしていると、
キーンコーンカーンコーン……とチャイムが鳴った。クラスメイトがゾロゾロと教室に入ってくる。
そこに紛れて、担任も入ってくる。
「おーいお前らー、席つけ〜」
担任は気だるげな表情で僕らに指示を出す。それに従い、クラスメイトは「はぁい」と、またしても気だるげな返事をして自分の席に着く。
みんなが席につき終わった所で、担任が言った。
「聞いてた人もいると思うが、転入生だ。紹介する。」
【転入生】というワードが出てきた途端、クラスがまたざわめき出した。
「男?女?」「まじ!?」「超楽しみ!!」「どんなこ?」「美人??イケメン??」
そんな声が教室中に飛び交っている。
まぁ、僕は別に興味もないので空を見ているが。
担任がパンパンと2回手を叩き、生徒を静まらせる。そして、廊下の方に手招きをし、転入生だと思われる人物を教室の中に入らせた。
転入生が教室に1歩足を入れた途端に、クラスの空気がガラッと揺れた。
そこに現れたのは、誰もが目を引くほどのの美少女だった。
肩口で切り揃えられたサラサラの黒髪に、芸能人並みの顔。そしてモデル並みのスタイル。
これは、誰が見ても美人だと言うだろう。
流石の僕も、そんな転入生の姿に驚いた。
クラスメイトは、「可愛い……」などと呟いている。
そして、転入生が教卓の前まで来て、口を開けた。
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