第22話 本当の事
「部長聞いてくださいよ、この松下の野郎全然使えない
最低野郎で、今日も大事な取引先の竹上課長に
失礼なことをしやがってもし今度の取引が駄目になったら
全部この野郎のせいです」
「と、早川君が言ってるが実際はどうなのかね?」
「今、早川さんが言ったことは全て私じゃなく早川さん自身の
事です。私はいつも早川さんの尻拭いをさせられてきました。
でももう我慢できません。はっきり言います。無能なのは
この早川という男です」
「な、何を言い出すこの野郎これまでさんざん世話になって
おきながら」
「早川さん、本当の事を言いましょう」
「何言ってやがる俺は何時だって本当のことを言ってるだろうが、
今日の竹上課長にだって「度スケベ変態野郎」と本当のことを
言ってやったろうが!」
「じゃあ、部長に私の悪口を言ってることの本当は?」
「そりゃあ決まってるだろう。部長がいつもコロッと
騙されるからだろうが。だから、お前が取り付けた商談も
俺の手柄になっただろうが。ちょろいんだよ。ははは」
「部長、早川さんはこう言ってますが……」
「うむよーく判った。この度の処断は電話で伝えよう。
2人とも今日は帰って自宅で待機しておきなさい。
くれぐれも飲みに行ったりしないように」
俺はいつも早川という男にいじめられ利用されてきた。
(いつか復讐してやる)と思っていた時に
【呪い屋(恨みはらせるかも)】に出会った。
藁にも縋る思いで相談して
5000円のコースの呪を掛けて貰った。
「大事なシーンで「本当の事を言いましょう」とその相手に
言ってみなさい。言ってはいけない事まで言い出すでしょう」
その結果がこうだった。
俺は今ドキドキしながら電話を待っている。
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