38冊目 ★「同性愛の百年間」

「同性愛の百年間 ギリシア的愛について」

 D.M.ハルプリン 法政大学出版局


「○○と××が男色の関係にあることは、教養ある読者にとっては自明のことであろう」という、どこの腐った読書人を指しているのかという言葉があった本。



 p148

 アキレウスとパトクロスの関係についてです。


 アテネの雄弁家アイスキネスはこう語った。

「ホメロスはアキレウスとパトクロスの情事についてあからさまに記述しなかった。それは二人が異常なまでの善意をおたがいに見せることだけで、聴衆のなかの教養ある人々には(二人の愛情は)自明のことだろうと、ホメロスが考えたからだ」


 その後に、こんな言葉があります。

「後世のギリシア人が、アキレウスとパトクロスが少年愛で結ばれた二人だったということに同意したとしても、二人のうち、どちらがどちらの役割を演じたのかを決めるとなると、かなりの困難にぶつかったのだ」


 ギリシア文化の研究って、こんなことばかりしてるんですか。

 最高ですね★

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