第26話 愛姉の知り合いは!
愛姉は所々寄り道をしては、取り敢えずレイラが外で活動するのに最低限必要な物を買っていった。
一番困ったのは服はあるが、靴がない事だった。
戦闘用のブーツならあるが、やはり今までラビリンスの中でした!なんて格好でファミレスで食事に来られても周りが迷惑するし、悪目立ちする。
取り敢えず余り目立ちたくないので、急ぎ身なりを整える事になった。
愛姉は自分の容姿が美人で目立つというのも考慮してほしいけど、レイラは外国人で美少女だから目立つはずなんだ。
サングラスをさせても美形オーラが出まくっており、美人が2人歩いているところにモブの僕がいる。
そうなると僕に対しての怨嗟が込められた視線は、かなり多くなると思う・・・
で、レイラを連れてギルドに行き、魔石の買い取りをお願いした。
受付は愛姉がするけど、査定は別の人がする決まりなんだ。
身支度を整えたからかレイラがカーヴァントだと誰も疑う様子はなかったように思う。
癒着していると査定額が規定超えになるからと、後方で査定する事になっているんだ。
だから査定用のトレイに魔石を乗せると先ずは自分のスマホで写真を取り、何個渡したか査定申請書に個数を記載する。
整理番号があり、割符のようになっている。
これも誰の分か後方担当者が分からないようにと。
で、武器以外のドロップも合わせて45万円となった。
探索者って儲かるんだなあ。
(普通一人当たり数万円〜15万円程度の稼ぎ)
先程からレイラの服とか買ってもらったから(着替えは昨日行ったビルにある身障者トイレ)、その分も合わせ10万円を渡した。
愛姉は一旦自宅に寄り、お母さんの車を借りてきた。
一応お母さんとポルシェを運転できるとかで、万が一の時は足を確保できるとか。
愛姉は僕に合成してもらいたいカードを持ってきており、他にももう着ない服を持ってきてくれた。
僕はお母さんへメールでこれから探索者パーティーのメンバと家に行く旨を伝え、それから帰宅した。
で、玄関を開けると冬奈が来た。
「ただいま。こっちが僕の探索者ギルド担当者であり、探索者パーティーを組んでいる璃音愛莉さん。こっちは・・・」
「えっ!お兄ちゃんなんでカーヴァントを連れているのよ!レイラよね?」
一発でバレた。
「冬奈ちゃん久し振り!」
「璃音ちゃんは家は初めてよね!まさかお兄ちゃんの担当が璃音ちゃんだなんて、世の中は狭いよねー」
愛姉は冬奈が通う中学の剣道部の先輩として、時折訓練をつけに行っているそうだ。
冬奈が先にリビングへ行く。
「お母さん、お兄ちゃんのパーティーに璃音ちゃんが入っていたの!凄いよ!」
取り敢えずリビングに行くと愛姉は母さんに挨拶していたが、顔見知りだった。
剣道部の事で知っていたようだ。
「ちょっと良い!?レイラを紹介したいから。レイラ、こっちが僕のお母さんで、こっちは妹の冬奈だよ」
「はじめまして。ゴブリン族のレイラと申します。僭越ながら斗枡様の筆頭眷族をさせて頂いております」
「あらあら。斗枡がご迷惑お掛けしていませんか?」
「冬奈よ。お兄ちゃんに変な事をしたら許さないんだからね!」
「妹君なのですね!私の命ある限り御主人様が変な目に遭わないよう努力すると誓います!」
冬奈はレイラが膝をついて恭しく誓うと言ったので唖然としていた。
「あらあら。斗枡のお仲間さんは騎士みたいね。取り敢えずお茶くらい飲みなさい。斗枡も女性をいつまで立たせておくつもり?」
僕は椅子を引いてレイラを座らせた。
愛姉は冬奈が同じようにしていた。
椅子をもう1つ持ってきて、お母さんも揃ってから経緯を話した。
「・・・という事で愛姉の力でレイラが地上に出たようなんだけど、慌てていてラビリンスに戻ってカードに戻れるか確認できなかったんだ。取り敢えず次に行った時に試すんだけど、今は家で保護しようと思うんだ。だから他言しないで欲しいんだ」
「お母さん少し残念ね。璃音さんを恋人として連れてきたのかと期待したのに。レイラさん、斗枡の事を頼むわね」
「母上殿。命にか・・・」
母さんがレイラの口を塞いだ。
「斗枡の事をお願いするのはするけど、自分の命を大事にしなさい。自分か斗枡の命、どちらかしか選べられなかったら自分の命を選びなさい」
レイラが何か言い掛けたが手で制した。
「母さんお茶ありがとう。父さんのガレージで少しやる事があるから、何かあったら呼んで欲しい」
「分かったわ。、私はレイラちゃんの寝床を用意するわね」
「いけません。私は今宵御主人様の夜伽がありますからわざわざ不要です」
3人が僕を睨む。
「ま、ま、待つんだ!レイラ、なぜ夜伽なんだ?そういうのは心から愛する人とするんだ。しなくて良いから」
「人の世界の事はよくわかりません。ゴブリンは成熟したメスは身籠るまでオスに子種を注がれるのですが、人間は違うのですか?。それに私は御主人様をお慕いしておりますから、御主人様の子を産むのは私の望む所です」
「斗枡、やる事があるのよね!?準備してきなさい。レイラちゃんにお母さん話があります。その後冬奈に連れて行かせるから」
僕は1人その場を離れるしかなかった。
自室で道具を取るとガレージに行く。
合成予定のカードの記録などをし、実験結果を残す。
確かウォーリアーは大量にゲットしたと思うからモーモンも行けるし、ワーウルフも行けるよな。
僕はそんな風に考えながら準備をしつつレイラ達を待つのだった。
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