それがどうした!ワンワンワン!

saito sekai

諺・超ショートショート

ある易者は、良く当たると有名だったので、毎日門前市をなすごとく人々が訪れた。

「先生、商売が上手く行きました!」

「恋愛成就しました!」

評判が評判を呼び、易者は多忙を極め、宗教のカリスマのような地位に昇っていったのだ。


そんなある日、いつものように仕事に出掛けた易者の頭に、なんと鳩が糞を落としていった。直ぐに気付いた彼は、公園の水道で頭を洗った。その様子を信者が見ていて、「あっ、先生予め分からなかったのですね…」と失望のため息を付いたのを見てしまった易者は、四つん這いになり、何故か犬のふりをして、走って逃げるのだった。


「諺・易者の身の上知らず」

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