第2話 孔雀王の刺客として 【番外編】

孔雀の国の王の刺客として~私はあの王に会えてよかった~



子供の頃に、一度両親に海に行った。水は冷たく太陽が輝かしい温かさを持っていた。

私は孔雀の血と龍の国の両方の血が流れている。母親は孔雀の国。父親は龍の国の民だった。龍の国、孔雀の国、虎の国。この三国しかない世界で100年に空に浮かぶ砂時計の砂が全部落ちてしまえば神々が降り、いつか戦をしなければならない。それは人口増加と食糧難のために定まられた決まり私の子供の頃はまだ砂が多かった。


「もうご飯にしましょう。せっかく作ったお弁当よ」


母は私の大好きな鮭と椎茸のおむすびを作ってくれていた。父は私の手をとりいつまでも海にいるのを止めさせた。そしておむすびを食べるために手を拭く。大きな口でおむすびを食べる。美味しくて幸せそうに食べる娘の姿はとても幸せな気持ちにさせられる。


「おいしいかい?」


「とても美味しいよ。母さんの作るおむすびはとても美味しい。」


「それならよかった」


私にとって一番幸せだったと思った。あの感じた海の水。こうして三人の暮らしがいつまでも永遠に続くだろう。と思いこんでいた。

でも、孔雀と龍の国は同盟もしていなかった。異国同士の血が流れていたので私はいつしか両親に恨みを感じた。同じ血だったらこんな事もないのに。父と母は共に同じ血だと世間に言っていた。ひたすら黙って龍の国に住んでいる。何故隠さなければならないのだろそんなことを子供の頃思っていた。

いいかい。決して言ってはいけない。ばれてしまうと職も失うのだ。それくらい重要な事なのだよ。敵国がどんなに怖い事か知っているんだ。何故?父と母はどうして恋に落ち私を産んでくれたのだろう。それくらい怖い人同士が結ばれたのだろう。私には語られなかった。それがばれてしまったのだ。たまたま、母が買い物に出かけた時に母国語で話したそれがきっかけだった。はじめ店の人はああ、間違って何か言ったと思った。しかし、どうしても気になり辞書でその言葉を調べた。「この桃はいくらですか。3個買いたいのです。とても美味しくて私と娘はよく食べてしまう。本当は父親にも食べさせたいのですが思わず二人で全部食べてしまうのです」ほんの日常会話だった。当たり前に使う言葉。

それからだった差別された。孔雀の母が孔雀の刺客だとまわりに噂された。何度も違うと言うに周りは遠ざかりせっかく父親はいい職で生活には困らないくらいのお金をもらっていた。家も着る洋服も食べ物も住む家もなくなった。母は病で亡くなり、父も絶望から自分で命を絶ち。私はたった一人で生きていくことになったのである。

孔雀の血が流れる子。みんなは石を投げた。虫けらみたいに罵声を浴びせる。ボロボロの服を着て食べ物を恵んでくださいと言うしかない。こんなにもみじめな生活を何年も続けた。ある時、捨てられている本を手に取る。私は両方の血が流れているので両方の文字が読めるし書ける。ひたすら図書館で文字を読み多くの本に出合う。こんなに素晴らしいことはないいつしか母がいた孔雀の国に行くことを決意した。

私はひたすら走った。母がいた孔雀の国へひょっとしたら希望が見えるような世界へ飛び出すのだ。やっと孔雀の国に着くとまず、ボロボロの服を着た人はだれ一人いない。そしてあるおばさんが真っ先に抱きしめてくれた。はじめ何を言っているのかわからなかった。


泣いているのである。何故泣く・・?何故抱きしめる?


他の人もパンをくれた?


何故?


見ず知らずの国の血なのに何故こんなにも優しいのだろう。

私の国はみんなに感謝をする国でどんな人にも安定する食事をさせて着るものも家も何もくれるのであるそういう国だった。

龍の国とは大違い。

国が違うだけでこんなにも豊かに暮らせるのである。教育をしてくれるのである。

発展しているのである。私は美しくなった。いつしか、孔雀の王に会いたくなった。私は手紙を出した。届かないだろうと思っていた。しかし、しっかりと受け止めてくれたできればあなたの血で国のために働いて欲しい一度会いたいと招待状までくれたのである。


「よく来てくれた。歓迎する。」


一瞬、私を気遣い龍国の言葉を片言で話した。


「おかしいですか?言葉はどちらで話せばいいですか?」


私は慌てて孔雀の言葉を話した。


「するとよく勉強しているのですね。きちんと話せるなんて素晴らしい」


私は泣いた。この孔雀王の優しさに触れたのである。母は母国語で話したために差別されたが孔雀の王はしっかり言葉を選んでくれたのである。

この孔雀王のためなら命をささげてもいい決して後悔をしない。


「私はあなたのおかげで救われました。どうかわたしを側にいさせてください」


大きな声で言った。すると大きな手で私の手を握った。


「ありがとう。私はあなたを救っていませんが国民が優しい国なのです」


沢山の涙がこぼれた。もう泣かないでください苦しかったのですね。私に使えてもらえていいのですか?私はあなたの力が欲しいのです。国のために働いてください。

ええもちろんです。

ありがとう。

それからしばらく敷いて宮殿で仕事をした。みんなは笑顔で仕事を教えてくれた。

こんなにも幸せなことはない。

毎日感謝をした。

時の砂は落ち始めていた、しばらくして孔雀王が突然できれば国を守るために龍国に行って欲しいと言われた。あなたしかできないのです。私の国を守るために刺客として働いてください。私は死を覚悟したがこの王のためなら命をささげてもいいと思う。決して短い命だったとしても幸運だ。

虎国と龍国の同盟の時に空に浮かぶ大きな砂時計が落ちるとき。私は覚悟を決め一本の矢を虎国の娘の胸に打った。そして10歳の子供の命を奪ったのである。

その後、龍国と虎国は戦争を始めた。

私の血にせいで苦しめられたこと。

これは孔雀王のため孔雀の国のためにやった罪。

私は決して間違ってはいない。

私は正しい選択をした。

それでもこの命、孔雀の王にささげたのである。

ありがとうございました。孔雀王様。

私はあなたを愛してました。だから一本の矢を打ちました。

私は後悔していません。

孔雀の国がしあわせになることを選びました心から願います。

ありがとうございました。

ゆっくり目を閉じて静かに剣をうけ彼女はこの世から去った。

ただ、一人の王のために・・・。





                             おわり

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