孔雀の国の王として民を守るために~王として生きていくために~

星乃秋穂(ほしのあきほ)

第1話 孔雀国の王として

孔雀の国の王として民を守るために~王として生きていくために~


三つの国があった。龍の国、虎の国、孔雀の国それぞれに神が住む。          空に浮かぶ大きな砂時計が100年という時間を刻むのである。そしてその砂がすべて落ちたら必ず戦が訪れる。それは人口増加と食糧難のため民を犠牲にしなければならない。決められた法則なのだ。三国で一番大きい国は孔雀の国二分の一の領土を持っている。すでに国民は増加している。この国の民を守ることは領土を広げなければならない。決して国民を飢えさせることはできなかった。すでに龍国と虎国は貿易をしているすでに同盟していると噂が流れていた。その両国から同盟を申し込まれていたが頑なに断ることしか考えなかった。それほどに孔雀の王はためを守らなければならないと考えていた。


「もうすぐ戦が始まる。わかっているが戦はしたくないが孔雀の国はすでに国民が多い私は鬼になれねばこの国民を守れない。同盟などできるわけがない」


何度も二つの国の手紙を破り捨てた。この戦には勝たなければならず最小限んで国民の数を減らさないように考えるのである。

孔雀の国はお祝いがあるたびに孔雀の王は歌うのである。それは国民に対し幸せを願い国の繁栄と収穫を願う。そのたびに国民は喜び孔雀の王の最高の感謝を示す。

もうすぐ、26歳の誕生日が来る。感謝祭だ。花火が上がり国民が自分のために贈り物をしてくれる。どんな小さな子でも愛しているそして、老人には長生きをして幸せな暮らしをしてと願うそんな優しい王だった。


「私は決して同盟できない。だからこの国のために歌おう。この国のためなら私はたとえ卑怯といわれても戦に勝たなければ」


孔雀王は紙に勝利の歌と平和の歌を作る。指揮を挙げるために何度も作り変えるのである。ゴミ箱は既に紙があふれていた。何度も国民を思う気持ちは大きい。いつかこの砂時計が落ちる前に作り上げた。


「孔雀王様もう寝てください。お身体に察します」


「わかっている。でも焦るこの戦がとても嫌だ。すべての国民に対しこの気持ちを伝えたい。感謝や愛なのだ。国民を愛さない王がいると思うか」


「あいかわずですね王は」


「違う孔雀の国の民しか愛せない」


「仕方ありませんか,当然でしょう。家族を守るのが世の中の最大限の幸福です」


くすくす笑う部下のカナン小さい頃からの親友である。孔雀はホッとした。


「そうだな。仕方ない三国は戦わなければならない。他の国など気にはしてないどうしようもない」


「だからですよ」


「あなたは愛されている」


「はははは。俺が愛されているものか」


「なら、この手紙は何なのですか?いつもファンレターが来るではないですか?」


「これはこれだ。ええいうるさい奴目。女は何度も恋文を送るから困る」


「いえいえ、老人からも子供からも青年からも憧れていますよ」


「むむむむ・・・・」


「寝る前に読み返して笑っていることも知ってます」


いつ気がついたのだろう。この手紙のせいで心が熱くてどうしようもない。優しい言葉をもらうたびに嬉しく思うのである顔も見えぬが本当に心から「ありがとう」という。


「時々俺は歌手になればよかったなんて言って涙零す癖に」


「仕方ない嬉しいのだ。この涙は嬉しい涙。悪いわけがなかろう」


「そりゃそうですけど・・・。この異常に散らばる紙は普通ではありません」


「ああ・・・」


「何度も繰り返してはもったいない」


朝から部屋掃除だ。その掃除は孔雀王がやるのだ。こんな紙を他の者に見せるわけにはいけない。最大の欠点である。大きなため息をつく全くこういうところが抜けている。


「よし、私の誕生日にこれを歌おう」


「どんな歌詞ですか?」


「覗き込むな。俺はその・・・」


「その・・?」


「とにかく国民のために作った」


「はいはい」


もう寝てくださいと尻を叩く。カナンはこの王が好きだ。この王に使えて良かったと思う。一つの国のために曲を作るたぶんそこに惹かれるのである。

決して二つの国が憎いわけではない。ただもうすぐ時の砂が落ちてしまう。       その時王はどうするのだろう。「優しい王が人を殺す」理由があるけして罪のない女や子供も殺すのだ。なんてはかないのだろう。苦しいのだろう

人の死には意味がある。その穏やかな姿のままでいく老人に愛を、病気で失う子供に花を送りなさい。いつかまた来世で会えるように心から願うのである。


私は間違っているか?


いいえ間違ってはいません。


何故ならしあわせを考える理由があるのです。


愛する言葉をつづる王に感謝しかない。こんなに素直に表現してしてしまう。歌詞を見るたびに色々考えていることがわかる。もう何度泣かされたことか掃除を手伝っていたがこれでは何度も泣くので上を向く、もうこんないい歌詞書かないでほしいだから王が自分で掃除してください。怒りますよ。いい加減。


えっ…何が・・


すっとぼけていないで一人で掃除しなさい。


ははは・・。泣くほどいいか・・。


仕方ないじゃないですか感動する事ばかり書くんですから


そうか。それは俺が天才だからか。


いや純粋だからです。


困る。昔からこうして何か書かないと気が済まないたちで


感情線が長いのでは・・・。


ああ・・そうだな。


どうしようもない才能の国王である。


この曲を楽しみにしている国王の誕生日が明日開かれる。花火が上がり国民が祭をする最高の誕生日がやってくる。

最高の日だ。

国民は最大の感謝を込めて祝うそれはとても賑やかで孔雀王のために踊り花火が上がる。

そして大きな声で人々を歓迎する。他の国からも見えるらしい。この国の素晴らしさがわかる。孔雀は大声で歌い上げた歓声は上がり大きな拍手それは素晴らしかった。

もうすぐ、時の砂は落ちてしまうのである。そんな時に手紙が来た。何と龍国の王と虎王の結婚が行われるのである。つまり同盟である国と国とが結ばれてしまう。二分の一になる。実は前々からは気になっていた10歳の虎国の王の娘と14歳の龍国の王これはかなり困る。これでは勝てない。前々から龍国と孔雀の血を持つ女性がいたとても貧しい暮らしをして屈辱だったと龍国で住んだおかげで惨めだったと言うのである。だから利用したこの戦いのために刺客になって欲しい。素直に引き受けてくれたのだ。こんな私を救ってくださり食べ物着るものまで住む家さえも何もかも与え安心させてあげた。そして、時の砂がすべて落ちたら虎王の娘を殺して欲しいそうすれば二つの国は同盟を結ばず。戦うだろう二つの国が争いが起きれば自分の国は手を貸さずに民を守れるのである。

そして時の砂が落ち龍と虎と孔雀の神々が出た時に一本の矢が結婚をまじかに船で降りる虎王の娘に胸に刺さり一気に戦場が起きた。たった一本の矢で両国の同盟が終わった。

孔雀王のもとに神の孔雀が来た。

こっちを向き何度も首をかしげる神は私の見方についてくれたのである。


「孔雀王様」


「なんだ。いい知らせが」


「実は虎王国が、がら空きです」


「なんと」


計画通りだった。これで少ない兵で虎王国を打つことができる。つまり領土も増え民を豊かにできるのである。龍国は壊滅と聞いた。

なんという幸運。これで二つの国を破れるのだ。私は歌を歌い勝利のために兵に歌をささげた。孔雀王は三国から勝った。すべての国民を守れたのである。


ただただ嬉しかった。


自分の民と家族を守れたのである。


それぞれの神々は戻り時の砂はまた100年という時を刻む。


ただ私のしたことはおろかな事だった。


国を守り、民のために歌う王だった。


もしも三国がこんなに小さくなければこんなことは起こらず同盟できた。


人口増加と食料危機がなければ二つの王と手紙を交わすことができたのである。


孔雀王は一つの歌を作った。


鎮魂の歌である。


二つの国のために龍国と虎国のために・・・。


私は正しい選択ができたかと言えば謎である。


ただ人として生きた人を悲しむのは同じである。


私には血が通ってない事に気がつく。


沢山の涙が出た。


罪のない女も子供も殺したことを


神は私に何を伝えたかったのだろう。


100年の時とともに・・時の砂は廻り始めた。







                                おわり

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