ぼくは「さいわい」を探している
成田行人
第1話 あなたの「さいわい」はなんですか?
「銀河鉄道の夜」
主人公のジョバンニと親友のカムパネルラが銀河鉄道に乗って星々の駅で死者の魂が乗客として銀河鉄道に乗車してきます。そこで、ジョバンニとカムパネルラは様々な乗客との出会いを通じて、生と死、喜びと悲しみ、そして人生の意味について考える機会が与えられる。その中でジョバンニは「さいわい」とは何かと考える。
ジョバンニはカムパネルラと一緒に「さいわい」を探そうとする。
でも、カムパネルラの「さいわい」とは
「自己犠牲」だった。
僕が幼稚園生だった時「銀河鉄道の夜」を読んで泣いていた。
なんで泣いていたはわからなかった。
母親からプレゼントされた「銀河鉄道の夜」は子供ながらとても苦しくて、悲しく思えた。話の意味なんて分からない。でもこの話は、とても綺麗で儚くて苦しい。
そのように思えたんだ。死の意味もタイタニック号の事もハレルヤの意味なんて分からずにただカムパネルラに対して悲しくて辛くて泣いていた。
言語の意味を理解できる年齢になって改めて「銀河鉄道の夜」を読んだ。
この話はとても綺麗だ。
全ての登場人物に意味があって僕も銀河鉄道に乗っているかのように情景が思い浮かぶ言葉の表現。そしてジョバンニとカムパネルラの考えの違いがよくわかる。
ふと僕は思った。
「銀河鉄道の夜」はハッピーエンドなのか。
僕は、ハッピーエンドでもバッドエンドでもないと思う。
1つだけ思うことは、
あなたの「さいわい」はなんですか?
と問われているようだった。
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