総受けだって攻めたいじゃん
菜乃花 月
総受けだって攻めたいじゃん
【登場人物】
葵(あおい):受け属性。男。演者の性別不問
響(ひびき):受け属性。キャラの性別は女だが性転換可
優希(ゆうき):総受け属性。性別不問
彰(あきら):総攻め属性。性別不問
ノリと勢いの15分ほど
ー本編ー
~飲み物を響の首筋に当てる葵~
葵:「えいっ」
響:「ぴゃっ!もーやめてよ葵!」
葵:「・・・響ってさ、受けだよね」
響:「はぁ?なに急に。それを言うならあんたの方が受けだよ」
葵:「は?俺が受け?ありえないな。だって俺男だし」
響:「じゃあアンケート取ってみてよ」
葵:「いいよ。見てろ俺が総攻めだってこと証明してやる」
~間~
葵:「うそ・・・だろ・・・」
響:「攻めに一票も入ってないね」
葵:「そ、そんなはずはない。俺は総攻めのはず!受けなんてありえない!」
響:「・・・あっ虫」
葵:「ひゃう!?」
~反射的にしゃがむ葵~
響:「・・・そういうとこだよ」
葵:「む、虫嫌いは他にもいっぱいいるだろ!」
響:「反応の仕方が受けなんだよ」
葵:「そ、そんなことないもん!」
響:「攻めはないもん!とか言わないよ」
葵:「・・・そ、そんなことないんだぜ」
響:「無理するなって」
葵:「うぅ~。そ、そんなことより虫は!」
響:「え?」
葵:「虫はどこにいるんだよ!!」
響:「いないけど」
葵:「は?」
響:「いないけど」
葵:「はああぁ??お前~~~!騙したな~~~!!!」
響:「おっま殴るな・・・って力よわっ!!」
葵:「許さない~~!!」
響:「ぽこぽこしてるの可愛いな・・・」
葵:「はぁ・・・はぁ・・・」
響:「気が済んだ?」
葵:「・・・はい」
響:「よしよし」
葵:「頭を撫でるな!
はぁ・・・。状況を整理しよう」
響:「う、うん?」
葵:「今、ここには受けしかいないんだな」
響:「そうだね」
葵:「そもそもなんで響は受け入れてんの。攻めたくない?」
響:「だって・・・お前、彰に勝てると思う?」
葵:「あー・・・勝てないな」
響:「でしょ?」
葵:「うん。でもでも、俺だって攻めれるし!」
響:「まぁ、攻めの気分味わいたい気もするよね」
葵:「朗読会でもする?」
響:「なんの」
葵:「BL」
響:「はぁ?」
葵:「ご、ごめんって嘘だよ。そんな怖い顔すんなよ。
じゃあさ、俺らでも攻められそうな人を探そう」
響:「お、いいね。でもいるかな私たちでも攻められそうな人・・・」
優希:「二人共何してるの?」
~同時に~
葵:「いたーーー!!」
響:「いたーーー!!」
優希:「えぇっなになにどうしたの二人共大きな声出して。僕なにかした??」
葵:「優希!!」
優希:「な、なに」
葵:「攻めさせて!!!」
優希:「はぁ?!」
響:「あんたこそ真の総受けだよ!」
優希:「総受けってなに?僕褒められてる??」
葵:「全力で褒めてるよ」
響:「優希」
優希:「なに?響」
響:「好き」
優希:「ふあっ!?僕も好きだよ・・・」
響:「なんで目そらすの。こっち見てよ」
優希:「ねぇ、響どうしたの?なんかおかしいよ・・・」
葵:「優希、響じゃなくて俺を見ろよ」
優希:「あ、葵まで・・・!二人とも何してるの!!」
葵:「俺もさ、お前のこと好きなんだよ。だから・・・」
優希:「だ、だから?」
葵:「・・・させて」
優希:「え?ちょ、ちょっと待って二人共近づいて何する気・・・にゃうっ!んんっ」
~優希のほっぺたをぷにぷにする葵と響~
響:「気持ちいい・・・」
葵:「あぁ、最高だ・・・」
優希:「ん、んもう!!いい加減にして!!僕のほっぺぷにぷにするのやめてよ!!」
葵:「えーいいじゃん。気持ちいいよ?お前のほっぺ」
優希:「だ、だからってずっと触んないでよ。恥ずかしいじゃん・・・」
響:「触られるの嫌?」
優希:「や、やだ」
葵:「俺らのこと嫌い?」
優希:「嫌いなわけ・・・ないじゃん・・・」
葵:「可愛い!!!優希可愛い!!!」
優希:「ふああぁ?!あ、葵??!」
葵:「可愛い!!すごく可愛い!!響!!俺でも優希なら攻められるぞ!!」
響:「そうだね!私でも優希なら余裕だよ」
優希:「だからさっきからなんの話してんのさ!僕にも教えてよ!」
葵:「お前は何も知らなくていい。そのままでいいんだ」
響:「うんうん、穢れを知らない優希でいてよ」
優希:「むぅー二人共僕をバカにしてるでしょ」
響:「してないよ?ただただ優希が好きなだけ」
葵:「あぁ、大好きだぞ。優希」
優希:「う、うるさい。・・・ばかっ」
響:「ばかっ、だってかーわーいーいー!」
葵:「俺、今なら彰も攻めれる気がする」
彰:「俺がなんだって?葵」
葵:「ひょえっ」
優希:「彰!ちょうどいいところに!なんか二人が僕のこと攻めれるとか言うんだよ助けて」
彰:「ふーん、何されたんだ」
優希:「え、えっとほっぺたぷにぷにされた」
彰:「は?」
優希:「だ、だから、ほっぺたぷにぷに・・・されたの」
彰:「ほっぺ触ることしかしなかったのか?可愛い思考だな」
響:「充分攻めた方だよ?ね、葵」
葵:「おう、これ以上ないくらい完璧に攻めだったよな」
彰:「お前らそんな甘々思考だから受けって言われんだぞ」
葵:「なんだとぉ!」
優希:「ねぇ、攻めとか受けとかなんなのさ」
響:「彰の袖を引っ張りながら上目遣いしてるあなたのことを受けって言うんだよ」
優希:「そうなの?」
彰:「まぁ、間違いじゃねぇが例えば・・・優希」
優希:「わっ、彰?」
彰:「目ぇ閉じろ」
優希:「なんで?」
彰:「いいから。閉じろって」
優希:「う、うん」
彰:「そのまま動くなよ」
優希:「うん」
彰:「・・・よし、取れた」
優希:「え?」
彰:「まつ毛にゴミついてたから取ったんだよ」
優希:「あ、ありがとう」
彰:「ん、どうした。何かされると思ったのか?」
優希:「へ?と、特に何も思ってないもん」
彰:「(優希の耳元で)安心しろ。お前が望んでることは二人っきりの時に・・・な?」
優希:「あ、あきらっ!?何言ってるの??!」
彰:「ばーか。嘘だよ」
優希:「ふぇ?」
彰:「はは、何もしねぇから安心しろ」
響:「せ、攻めだ・・・!完璧な攻めだ!!顎クイで顔を固定した後キスするかと思ったらまつ毛のゴミを取る!そして不意打ちで耳元で囁いて最後は微笑みながらの頭ポンポン!!」
葵:「お、俺あれに勝てる気がしない・・・!」
響:「あれが総攻めの彰!!強い、強すぎる!!」
葵:「で、でも俺らだって優希を攻めれたんだ!!今ならいける!!」
響:「葵!?」
葵:「攻めと言えばやっぱりまずはこれだろ!彰!!」
彰:「なに、葵」
葵:「壁・ドン!!」
彰:「葵・・・?」
葵:「彰。お、俺っお前のことっん」
0:葵の唇に人差し指を当てる彰
彰:「その先は・・・俺から言わせてほしいな。
彰:(少しためて)葵好きだよ」
葵:「んん・・・しゅきぃ・・・」
彰:「はは、よしよし」
響:「瞬殺だ・・・」
優希:「僕、葵のあんな顔見たことないよ」
彰:「さて、お前も来るか?響?」
響:「わ、私は別にいいわよっ」
彰:「・・・お前さ、昨日残って作業してただろ」
響:「な、なんでそれを」
彰:「たまたま見かけたんだ。しかも昨日だけじゃなくてここ最近ずっと一人で残ってるだろ」
響:「それは・・・私が作業するの遅いからであって・・・」
0:ふわりと響を抱きしめる彰
彰:「いつも一人で締め切りに間に合わせようと頑張ってるの知ってるよ。本当にお疲れ様。でも無理はしてほしくないし、一人でやるより誰かとやった方が早く終わるだろ?だから、もしまだ残ってるなら俺とやろう」
響:「い、いいよ、もう少しで終わるし!彰の時間取らせたくない」
彰:「俺がやろうって言ってんだ。お前は素直に頷けばいい。最近頑張りすぎなお姫様には、休養が必要だと思うんだ」
響:「で、でも・・・」
彰:「俺と作業するのは嫌なのか?」
響:「嫌じゃ・・・ないです・・・」
彰:「素直でいい子だな。そういうとこ好きだぞ」
響:「はぅうん・・・!!」
優希:「響から聞いたことない声が!!彰すごい・・・」
葵:「俺に向けられてないのに俺もキュンってきた・・・彰しゅごい・・・やっぱしゅき・・・」
響:「総攻めを前にして何もできなかった・・・やっぱり私たちは受けなんだ・・・」
葵:「彰になら俺抱かれてもいい・・・」
響:「私も・・・」
優希:「二人共大丈夫??」
響:「大丈夫だよ・・・胸がキュンキュンするのは受けの使命だから・・・」
葵:「好きだよの四文字の反芻が止まらないんだ・・・。たった四文字で俺は一週間は幸せに浸れる・・・」
優希:「何言ってるんだろう・・・」
彰:「なぁ、優希。キスの味はレモン味って言葉知ってるか?」
優希:「ううん。そうなの?」
~彰が優希にキスをする~
優希:「っ!」
彰:「どうだった?」
優希:「・・・ばかっ」
終わり
総受けだって攻めたいじゃん 菜乃花 月 @nanohana18
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