夏休み日記

@akatukiharumachi

第1話

 私のふるさとの話を聞きたいって言ってくれてありがと!

 私のふるさとは地底の国。

 地上留学したいって言ったら、お父さんもお母さんも大反対だったけど、93年ぶりの留学生だって校長先生が喜んでくださって、こうして地上に来れたってわけ。

 いろいろ話したいことはあるんだけど、とりあえず思いついたのから話していっていい?

 地底の国と地上の国って言っても結構似ているところもあって、例えばコンビニ。雰囲気なんかそっくりよ。ただ一番驚いたのは夕焼けが売ってないこと。

 たまに言葉で言い表せないくらいの鮮やかな、空の半分を覆うような夕焼けってあるでしょ?あれはオーダーメイド夕焼けよ。

 レジの前に専用の機械があって、日付とデザインを入力すると、その日の地上の夕焼けがデザイン通りになるってわけ。もちろん場所や日付によって値段も違うんだけど、案外狙い目はクリスマスイブの夕焼けよ!みんな夜を待ってるから、最高の日なのにお値段控えめなの。

 もし夜になるのがもったいないような空があったら、それは誰かがあなたに見せたいと思った色だからって答えてあげたいわ。

 今年のイブの夕焼けも楽しみにしててね!

 今年は私のデザインだから。

 






 

 

 

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