アリとキリギリス
ぴろわんこ
第1話
アリは働き者だった。しかしキリギリスが遊ぶ楽しさ、休む大切さを教えた。以前よりはアリは働かなくなった。
昔アリはキリギリスに挑発されて、一見無謀とも思える戦争を仕掛け負けてしまった。それ以来アリ国はキリギリス国の属国となり、多額の賠償金を毎年払い続けている。
アリは色が黒くて身体が小さいから、キリギリスから下に見られてしまうのだ。差別意識を受けながらまた戦争に走り負けてしまうのは嫌なので、どうにか耐え忍ぶ日々を送っている。
アリの中にもこんな風潮はおかしいんじゃないの、という者も何匹もいる。だが嫌ならキリギリス国に移住するか、無人島に行き一匹だけで生活するしかないようだ。
アリが一生懸命働いて得た金を、昔植民地支配していた別なアリ国にも多額の賠償金として支払い続けているから、あまり割り切れない話だ。キリギリス国の方がもっと残虐非道なことをしていて、昔からそこに住んでいた別な虫を強引な手法で追い出し、乗っ取って世界各地で強引な取り引き、支配をしているというのに。
アリは別に勉強や仕事が心底好きだからやっているわけではない。やらざるを得ないからやっているだけだ。戦争に負けた国の文化、風習なんてこんなものなのだろう。
アリとキリギリス ぴろわんこ @pirobigdog
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