義理だと知って距離を置いたら、溺愛していた妹がデレてきた。

@aiueo10

第1話 妹と血が繋がってないと知る


 俺には妹がいる。それも、超絶可愛い妹が…


 これは、兄だから家族贔屓しているのも多少はあるだろうが、事実として妹はほぼ毎日告白されている。


 色白で、少し吊り目がだが綺麗な目をしており、髪はサラサラの黒髪。しかも、これにプラス性格も良いとくる。そりゃ、学校で人気になるのもわかる。同じ親から俺が産まれたとは考えられないぐらいの美少女だ。ちなみに、俺は強面で周りからよく怖がられる。



 そして、そんな美少女の兄である俺は当然溺愛するよね、ってことで俺は元々の性格と妹の可愛さによって妹をこれでもかと溺愛してきた。


その結果…




「気持ち悪い、じっと見つめてくんな。」


 妹は、俺にだけ厳しくなってしまった。











 妹の名前は、如月 茜きさらぎ あかね。俺の中では、妹が俺に厳しい理由を反抗期として消化している。というか、そうであってほしい。反抗期であっても可愛いのだが、本気で嫌がられていたら少し悲しくなる。


 (小学3年の時は、毎日くっついてきてくれたのに…)


「ねぇ、見つめんなって言ってんの聞こえない?」


「いや、茜。お前が可愛すぎるせいだ。俺のせいではない。」


「なんなのそれ。キモイからやめて。」


 見事撃沈。キモイって言われてしまった。まぁ、これまでも何百回も言われてきたのでもう慣れてしまったけど。


 今まで何度も、俺は茜に何が嫌われているのか考えたことがある。でも、いつも溺愛してるだけだから心当たりは過度な溺愛ということ以外ない。過度な溺愛だったとしたらやめるのは無理な話だ。



「茜。学校に行けるか?」


「ちょっと待ってよ‼︎あと、少しだから」


 怒るポイントが一緒に行くことではなくなってるのは、茜が俺と口論しても無駄だということに気付いた証拠だ。


 以前、茜は一緒に行きたくないって言い出した時、無視してついて行くというのを繰り返していたら、いつしか言うのも無駄だと気づいてくれたみたいだ。


「茜、今日は何時に帰るんだ?」


「そんなのお兄ちゃんに関係ないでしょ」


「いや、関係大アリだ。俺と茜の共にいる時間が変わるかもしれない重要な問題だ。」


「なにそれ。キモ、」


「で、何時なんだ?」


「そんなの知らない。校門の前にいればいいじゃん。」


 相変わらず、妹は俺にだけ厳しい。


 







「相変わらずお前妹と仲良いな。」


 俺の友人である前川 亮まえがわ りょうが、俺に話しかけてくる。強面の俺は、あまり友達がおらず数少ない友達の1人だ。


「家では、クソ冷たくされるけどな…」


「いや、一緒に登校してる時点で仲良しなんだよ。」


「まぁ、それもそっか。」


 実際は、一方通行かもしれないが、俺は悪いことは考えない主義なんだ。


 この前川も、一度茜に告白をしている。少し腹立たしいが、その後諦めてくれたので今は許してやってる。(上から目線)


 たまに、どんだけ言われてもしつこく言い寄ってくる奴いるからな。そんな奴は、俺の出番だ。強面の俺が出てくれば一瞬で引いてくれる。


「お前の顔ホント怖いな。」


「うるせぇ。これで妹を守れているんだからいいんだよ。」


「本当シスコンだなお前。」


「ありがとな。」


「褒めてるつもりなかったんだけど…」

 









「健人、一緒に帰ろうぜ。」


 前川は、俺に軽い感じで言ってきた。断られるのが分かっているのだろう。


「今日、妹と一緒に帰るから無理。」


「まぁ、分かってたことだからいいけど。じゃあな。」


「じゃあな」


 毎度断るのは申し訳ないが、こればかりは許して欲しい。


 俺は、前川と別れて妹に言われた通り俺は正門の近くで待機する。


(あ、茜が来た。)


 俺は、勢いよく茜の方を見たが茜は友達と帰っているのが見えたので、俺は1人で帰ることにした。


 茜の友達関係は尊重しなきゃね。



「ただいま〜。」


 一足先に帰った俺は、家にいる母親に向けて言ったが意外なことに返事をしたのは父親だった。


「おい、健人。お前1人だよな?」


「そうだよ。」


「今から話がある。玄関で話す話でもないからリビングに来い。」


 今までにない、重々しい雰囲気でお父さんは喋った。俺も、少し緊張しながらリビングに行く。


 そこには、両親が座っていた。



「今日話したいことは、お前と茜についてだ。」


「どうかしたのか?」


「この話は、まだ茜にはするな。よりお前と仲が悪くなったら、親としては悲しいからな。」


「?」


「お前と茜は、実の兄弟ではなく義理なんだ。」


 ……?すぐには、話が飲み込めなかった。それくらい衝撃的な話をされた。


 俺と茜が義理?確かに、顔とかはなんで似てないんだろうとは思ったこともあったけど…


「……えっ?本当なの?」


「黙っていてすまん。茜が中学になったら話すつもりだったんだが、その時お前らの仲が悪かったからあまり言いたくなかったんだ。」


「えっと、…じゃあ茜にはいつ言うんだ?」


「いや、茜は成人してから言おうかなって…まだ仲が良くなってないからな。だから、健人。無理言ってるのはわかるが出来るだけ仲良くなってくれないか。」



「…分かった」



 俺は、そう言って自分の部屋に戻った。


(仲良くって、今まで家族だと思っていたのに義理なんて距離感が少しわかんないよ。)



「…義理、か。」


———————————————————————

初投稿で至らぬ部分もあると思いますが、その点は温かい目で見てもらえると嬉しいです。

どんなペースになるか分かりませんが、基本的に等間隔で出そうと思います。

(三日間おきになると思います。)









 


 

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