第8話

かぶと虫


私は仕事のしていた頃のリズムが抜け切れず


朝五時半には目が覚めリビングに出てくる


おぉ!犬がしっぽを振って私を見つめている。



妻が連れてきた保護犬だ。




しばらくすると妻が起きてきた




妻  散歩行ってあげて

   私仕事やから



えっ

俺?


……お前が連れてきた犬やのに。




心の声がそう言った


でも犬は凄く愛おしくて散歩に出掛けてしまう



外は春、桜、心地よいそよ風


散歩って凄く快感! 


ひとりでは決して散歩などしなかっただろう



なんとなく、妻の愛情が伝わった様な……




ふとよぎる


妻はかぶと虫ではなかったと、


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