第3話 強化の方法

 銅貨300枚突っ込んで100枚出てきた紙の結果がこれ。


 ★筋力強化(微)7枚

 ★体力強化(微)5枚

 ★動体視力強化(微)5枚

 ★瞬発力強化(微)4枚

 ★魅力強化(微)5枚

 ★魔力強化(微)5枚

 ★視力強化(微)4枚

 ★嗅覚強化(微)4枚

 ★聴力強化(微)4枚

 ★味覚強化(微)5枚 

 ★経験値アップ(微)7枚

 ★猫目(微)6枚

 ★★火属性付与(微)2枚

 ★★水属性付与(微)2枚

 ★★雷属性付与(微)2枚

 ★★土属性付与(微)3枚

 ★★風属性付与(微)3枚

 ★★毒耐性(微)3枚

 ★★呪い耐性(微)2枚

 ★★麻痺耐性(微)3枚

 ★★反射神経強化(微)3枚

 ★★★鑑定眼(微)2枚

 ★★★重力制御(微)1枚

 ★★★光属性付与(微)3枚

 ★★★闇属性付与(微)2枚

 ★★★運強化(微)1枚

 ★★★★悪食1枚


 ★筋力強化の5枚目を引いたときのこと、例の文字が目の前に現れ『筋力強化(微)は5枚集まりました。穴に5枚を入れると筋力強化(下)にできます』というものだった。


 言われた通りに穴の中に筋力強化(微)5枚を突っ込むと新たな紙が現れその紙には筋力強化(下)と書かれている。


 どうやら同じ物を5枚集めると(微)から(下)へパワーアップできるらしい。

(下)をパワーアップさせるには(微)5枚集めて(下)にしてその(下)を何枚か集めれば(中)?にでもなるんだろう……


 5枚集まった紙を全て穴に入れる、体力強化、魅力強化、魔力強化、味覚強化、経験値アップ、猫目がそれぞれ(下)にパワーアップした。


 猫目がパワーアップしたせいか、夜なのにさっきより少し明るく見えるような気がする。


 ★★★の上★★★★があった。この★★★★悪食には(微)という文字はない。この悪食の説明書きには『ありとあらゆるものを食すことができ、空腹を満たしHPを少し回復できる』と書かれている。


 なんでも食べることができる体になったってことなんだろう。これは正直、嬉しい。何でも食えるんなら食費を減らすことができるということ、その分この穴に金を突っ込むことができるってことだからな。


 ん?そしたらここにある土も食えるってことだよな? 晩飯はまだ何も食ってないし、ちょうど腹も減ってる。試してみるか……


 その場の土をオレンジぐらいの大きさで掘り出し、口の中に放り込んでみた。


 ……不味っ!!


 ……食えないことはない……ないが……味がほとんどしないし、なんとも形容しがたい……食えないことはないんだ、食えないことは……だけど敢えて食べようなんてとても思えるような代物じゃない。まあ土だしな……


 土を食べるのはどうしても腹が減って仕方ない時だけにしよう……。


 しかしこの悪食は(微)って書いてないってことは強くすることはできないんだろうか?強化できたら土も美味しく頂けるようになったらいいのにな……


 もう家にあるお金は全部突っ込んだ。これだけ紙の種類があるとは思わなかった……もうお金を突っ込む事は出来ない。俺がこの能力で満足できるのか?と聞かれれば答えはノー。


 残っているお金は商会に預けてある銀貨93枚。俺が追い出されたパーティで5年間必死で貯めて来た金。あれは俺の夢の為に貯めてきたお金……騎士団に入団したいという夢……


 騎士団の入団条件は家柄と実力。俺のような平民が騎士団に入るには金貨3枚ほどを支払って貴族に推薦状を書いてもらう。それが出来て初めて入団試験を受けるスタートラインに立つことができるのだ。支払ったからと言って必ず受かるという訳じゃない。


 でも騎士になれば一代貴族のよう扱いになる。平民出の俺にしたら夢みたいな話。


 取り敢えず帰るか……不味い土を食ったおかげで腹だけは満たされてる。

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