2023/5/14
やってみろ、そう言うなり男は自ら此方の腕を掴み己の首元に当てる。蔑むような期待するような鼠色の冷ややかな眼差しに手に汗が滲む。男の鼓動と秒針だけが空間を波打ち、窓の外の霞んだ薄緑色の景色だけが緩やかに動いていく。上昇する体温に耐えきれず__耐えきれないから、震える両手で包み込んだ瞬間、その肩が微かに跳ねる。徐々に力を強めていくと男は顔をしかめて此方を窺うように上目を遣う。意図して拍車をかけていると言わざるを得ない。一気に頸動脈を締め上げようとしたとき背後からの銃声に全身が揺れる。
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