劣情集
@_S137
起床 2020/9/18
帰宅すると知らない人間の屍が出迎えてくれた過日。身体のいたるところから赤黒い液体がどろどろと流れ、腹の辺りからは歪な形をした生々しい色をした塊がはみ出していた。地に生気を吸い取られたように座るこの男だが、蓋しつい先程まで息があったのだろう。そう思って何気なく屈んで死んだ首に右手をあてていた。それからどれくらいの間そうしていたかわからない。右手で触れるものが冷たくなっていくほど、指の先からじわじわと暖かくなっていく自分の身体に質問を繰り返していたのだ。小夜時雨の生臭い思い出である。
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