第2話お姉さんたちを拾いました
僕は今世で努力を怠らないことにした。
努力は必ず実る。これもじいちゃんが言っていたことだ。
今世の僕はまぁまぁ運動神経がいい。館を1人で管理しているからかな。
けど剣技と魔法がしょぼい。
なのでとりあえず半年間死ぬほど努力することにした。
とりあえず本邸の書庫から剣技や魔法の本をいくつか持ってきた。
当然、僕に家庭教師はいない。
計算などは前世で虚数の範囲まで計算できるから問題なし。
後、足りないのは剣技と魔法だ。これさえあればあのお父様も僕を認めてくれるかもしれない。
そう思い僕は朝から晩、死ぬほど修行をした。
半年が過ぎた。僕は結構成長した。魔法も初級魔法なら4属性、火、水、土、木の初級魔法なら使える。
15歳になると魔法適正検査というのがある。今の4属性に加えて、他の4属性があるが、貴族は僕が覚えた4属性に加えて1つや2つあると喜ばれる。
全適正というのもあるらしいけど、10年に1人レベルだ。
僕はとりあえず全適正を目指そうと思う。
目標は高い方がいいしね。
魔法は本読んでひたすら練習だけど剣技は
「こうやって魔の森に潜って…よし!一匹!」
アイラビットやゴブリンなどを相手して学んでいる。まぁこれができるようになったのも1ヶ月前だけど。
ある日、いつもより強い魔物と戦う練習をすべく少し深く潜ったが…
「おい!金を出しやがれ!」
「命だけはお助けを!」
「うるせぇ!」
と商人のおっさんが斬られる。
異世界は前世みたいにクリーンな世界ではない。血が飛び散る生々しい世界だと僕は知っている。
「やるか…」
あのおっさんは埋葬してあげよう。あの盗賊達にはそんなことしてあげない。
「誰だ!?」
不意打ちで1人。
「おい!どうした!?」
「あのガキがやったみてぇだ。くそ、許さねぇぞ!」
盗賊で魔法を使う人は少ない。騎士団で不祥事を犯したものやお金のない平民がなることが多い。
なので…
「ぐはぁ!」
初級魔法ファイアボールで1人。
魔法耐性がないとお腹にぶつけさえすればいける。
「俺は一筋縄ではいかないぞ、ガキ」
確かに強そう。ホブゴブリン三体分くらい強い。
でも…
「ウォーター」
「ウォーターだって?そんなので俺様を…ぶつけたところで…」
もちろんこれは踏み台だ。
「おいどこいった!」
「後ろ…だよ?」
首元を斬って1人。
血はゴブリンのを何回も浴びてるけど人間のはちょっと精神的にきつい。なのでウォーターで顔を洗う。それでも少し罪悪感が湧いてしまう。まだ3流ってことだ。
馬車の方から音がした。
まだ残党か?構えながら開けると…
「え?」
女性が4人、鎖で繋がれていた。
「大丈夫ですか?」
4人とも多分僕より年上だ。なので一応敬語を使う。これ日本の常識。1人僕と同じくらいの子がいるけど。身長のせいかな?
鎖は勢いよく切ればとれた。
サクッと斬って解放してあげる。
「すみませんが、埋葬するのを手伝ってもらっていいですか?」
4人ともうんうんと頷いてくれた。
僕達は商人さんを埋葬してあげた。奴隷商人は悪いイメージがあるがこの国ではちゃんと合法的に行われている。
けどこの商人さんは多分不法に各地からさらってきたみたいだ。
なぜなら、彼女達は全員種族が違う。
種族の取り決めにより人間は人間しか法律上は奴隷にできないが、こうやって不法に奴隷を売り払う人もいるらしい。
僕は
「ありがとうございました。もうお姉さん達は自由ですから、故郷なりに帰ってもらって大丈夫ですよ。馬車は僕が頼んで手配しま…」
「あの!」
急に喋り出したのでびっくりした。
声を上げたのはこの中の唯一の人間種の人だ。
「行くあてもないのでもし良かったら住まわせてくれませんか?」
「私も」
「私もお願いします」
「私も…」
こうして僕は4人のお姉さんを拾いました。
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