最終話:私でいいの?・・・インコだけど・・・。
そして季節はクリスマス。
一奈がまたやってきそうだ・・・。
現在は6月・・・梅雨時分、時期外れだけど・・・この小説の中ではクリスマス。
そういう設定。
僕とプリンちゃん、とうとう結ばれたよ。
お互い全て許しあえる存在になって、さらに思いは深くなった気がするんだよね。
もう誰も僕たちの邪魔はできないし・・・誰にも邪魔はさせないよ。
あきらめの悪い一奈だけがネックだけど・・・それは僕さえ、よそ見
しなければいいんだ。
でね、まあほぼ毎日のようにラブラブしてるわけなんだけど、
温泉以来プリンちゃんをどこにも連れて行ってなかったから、僕はプリンちゃんを
連れてアミューズメントパークに行ってみることにした。
クリスマスイブにはまだ日にちがあったけど、まあいいや。
プリンちゃんに素敵なイルミネーションを見せてあげたくて・・・。
美都里ちゃんもマカロンも誘わずにプリンちゃんとふたりだけで、
夕方、電車に乗ってアミューズメントパークへ・・・。
パークに到着するとクリスマス・ファンタジアって催しをやっていた。
僕たちは光のトンネルを抜けてメインのイルミネーションを見たり歩いたり
して光の世界を堪能した。
「綺麗だね・・・」
「ほんと綺麗だね・・・プリンちゃんには負けるけど・・・・」
「
近くに誰かいたら石投げられそうですね。
会場ではクリスマスソングなんかかっていて、どの曲も聴いたことある
曲ばかりだった。
プリンちゃんには分からないことだったけど、素敵な装飾と素敵な音楽で、
十分楽しんでいたようだった。
それが分かるのは終始、僕の顔を見て嬉しそうに微笑んでいたからね。
「もうすぐクリスマスか・・・」
「クリスマス?」
「クリスマス・・・知らない?」
「この時期、サンタクロースがすっごく忙しくなるんだよ」
「え?サンタクロース?」
「そう子供達にクリスマスプレゼント配りに行くからね・・・忙しいんだ」
「そうなんだ・・・?」
「どうせ分かってないんだろ?」
「ごめんなさい」
「いいよ。気にしてないから・・・」
それから僕たちは水族館やプラネタリウムを見て楽しんだ。
ホテルの4階のスカイアリーナではクリスマスマーケットが開催されていて
他の客と一緒に僕たちも窓からイルミネーションを見ながら、僕はホットコーヒー
プリンちゃんはホットミルク、でスイーツをふたつ買って仲良く食べた。
結局、僕もプリンちゃんもふたり一緒にいられたらどこでも楽しかったんだ。
多分、部屋の中にいても、それはそれで楽しかったと思う。
しばらくイルミネーションを眺めていたら、いきなり、目の前に花火が
上がった。
空で大きく開いた花火を見あげてプリンちゃんは目を丸くした。
花火なんか見たことないだろうからね。
「わ〜すご〜い・・・びっくり・・・だけど綺麗・・・」
花火は何発か、立て続けに上がった。
さすがに夏の花火大会みたいにはたくさん上がらなかったけどそれでも十分だった。
「綺麗だったね、初ちゃん・・・あの綺麗なもの何て言うの?」
「花火だよ」
「はなび?・・・・」
「プリンには、まだまだ教えなきゃいけないことがたくさんあるね」
「ごめんね、私、ほんとに何も知らなくて」
「いいんだよ・・・時間はたっぷりあるから・・・」
「え?」
「僕たちの愛は永遠だからさ・・・だから時間はたっぷりあるの・・・」
「ほんとに私でいいの?・・・インコだけど・・・」
「インコに戻られちゃうと僕もさすがに困るけど・・・戻らないでしょ?」
「私、初ちゃんを一生大切にするからね」
「僕は何も言わず、プリンちゃんを引きよせて、そして優しく抱きしめて
プリンちゃんの、ほっぺにチュッてキスした。
クチビルへのキスはマンションに帰ってからね・・・今夜のエッチの前の
今夜の花火はきっと僕たちのことを祝福してくれたんだと思うよ、プリンちゃん。
おしまい。
パステルカラーに恋して。♡僕のプリンちゃん♡ 猫野 尻尾 @amanotenshi
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