竜の宝玉

舶来おむすび

 ……さあ、武器を取れ

 高らかに歌え

 いざや獣を打ち砕かん

 私の後ろには人々が続き

 私の前には偉大な将が征く

 ミーレ (*5) の槍は光り輝き

 邪なる蛇を抉り穿つ

 アラネ (*6) の弓は天に舞い

 狡猾な蝙蝠を貫き通す

 そして ああ!

 イジクス (*7) の剣こそが

 あの忌々しい戴冠の獣ヒリマ=トア (*8) を

 千々に切り裂くことだろう!……


 ……注7

 帝国第3皇子イジクス・シルハ・ラーカンシュ。剣術に秀でており、『剣太子』の呼称で親しまれた。仁徳の人として将来を嘱望されていたが、17歳の時、パワグの戦いで消息を絶った。

 注8……


 ────ゾストス著『人間の流行歌の歴史』より

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