第10話 再起


翌朝。


シオンが目を覚ますと隣にフェラクリウスの姿は無かった。


街に向かう街道のはるか先から巨漢が歩いてくる。


それがフェラクリウスであることを確認し、シオンは駆け寄って行く。


「どこ行ってたの?」


「下半身を鎮めていた」


スッキリとした表情で朝日を背負うフェラクリウスは、なんだか神々しいオーラまで放っていた。


「“こいつ”は女が近くにいると勝手に膨らんじまう。

 だが、あまり長時間膨張が続くと

 イタイイタイになっちまうんだ」

「だから、ある程度時間が経過したら

 一旦鎮める必要があったのさ」


「もぉー!知りたくない知識ばっかり

 すげー説明してくるじゃん!

 うわっ、そんなこと言って

 今またおっきくなってきてるし…」


シオンは顔を手で覆って見ないようにしたが、フェラクリウスの下腹部には昨日と同じシルエットがはっきりと浮かんでいた。


これはもう彼の生理現象なので仕方がないのである。


「気にするな。

 俺はもう気にしてない」

 

「気になるよぉ…。

 アンタも気にした方がいいよ絶対」


「女って奴は…面倒なもんだぜ」


「誰でも気にするだろ!」

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