Re:Product
ボーンズ
序章
「やめてよ!いたいっ!」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー」
「ヒック、、、、」
色んな声が廊下を響かせる。
泣くもの。
気絶するもの。
死ぬもの。
そして、現実を悟るもの。
いろんなやつがいた。
あの時の記憶は未だに鮮明に覚えている。
忘れるはずがない。 憎悪と悲しみにあふれ出すこの雰囲気。
脱落する、数多の人間がいた。
そう…俺の新しい人生が始まったんだ。
あの…地獄のような日々が。
そこに、たくさんの子供が集まられた。
白衣を着た科学者とスーツを着たボディガードがたくさんいた。
誰かが歩いてくる音がする、、、
「初めまして私の子たち。皆さんにはこれから、国のための兵器となっていただきます。あなたたちは、選ばれた人間です」
そういって、身長は190cmほどの黒髪の男性が話し始めた。
主催者らしき人物あるいは上層部に近しい人物だということは見ただけではっきり分かった。
その時はまだ、何を言っているのか、子供の俺達には全く理解できなかった。
そして、これから、何が起こるのかも知る由もなかった。
「皆さんには国のために、そして人類を守るために、人知を超えた力をつかいこなせるようになっていただきます。現代では弱肉強食な社会となっています。そんな中、将来を担うかつ実験台としてふさわしいあなたたちが人類のために、世界を正してください。すべては、Re: Product計画のために…」
やつは続けてこう言った。
「いいですか?いま世界では腐るほど悪党が溢れかえっているのです。皆が自分達の利益のために平気で人を殺して、争いを生んでいる。そこで我々が開発した「リダクト」で彼らに鉄槌を下そうではないか。我々が人類を選別し、平和で差別のない社会をつくろうではないか」
すると、一部の科学者たちは、何やら緑の液体を用意しだした。
「これは、計画の通り、我々が作り出した最高の武器‘リダクト’。この液体はまだ実験段階で、人間の投与はまだ行っていない。そこであなたたちが実験体として、投与させることに決まりました。開花する力は人それぞれです。あなた達は選ばれしものたちです。あなたたちは三年後、神にも並ぶ存在、最強のリダクター(リダクトを使用する人)になっていることでしょう」
呼び出されるや否や、子供たちは実験体らしく、コード番号で呼ばれるようになった。
「俺のコードは001番か。いったい、何番までいるんだが」
周りを見ると、
「ぼくは、004番目か。まぁまぁですね」
「俺様が010番。ふざけるな。一人一人叩き潰してやる」
「僕が003番か。ふふっ悪くない」
「私が007番目。ええーまじぃ?まいっか」
番号を見て喜ぶものや落ち込むものもいれば、納得できないものがいた。
(どうやらただの番号ではないらしい)
と心の中でそう思った。
すると、
「一番から順番に整列しなさい」
主催者の直属の部下らしき人物がそう言って、実験体の子供は整列させられ、実験施設のようなところにに誘導された。
施設の中には、様々な医療器具、そして見たことのない怪しい機械。様々な薬品が置いており、一人一人には専属の科学者が存在していた。
基本的一人一部屋。部屋には、一台のベッド、トイレ、そして様々な筋トレ用具、武器等が置いてあった。とても殺風景な部屋であった。
さらにそれぞれには専属の人がついていた。おおよそ教育係か監視のためであろう。
実験が行われ、数週間が過ぎた。
実験を重ねていくうちに科学者たちが、結果を見て満足する姿が垣間見られた。
中には、そういって実験の最中、力に適応されなかった人々を失敗作と呼ばれ、始末されたり、実験中に死亡する人や生物として呼べないほどに機能しなくなってしまったなどの人がいた。
そして、科学者の中では、もともとこの計画に賛同できない者も存在していた。
「やはり、コード001と002は素晴らしい。最高傑作だ。人間という種族が着実に神の領域へ近づいているのだ!!!」
「こ、こんなことをして、許されると思っているのか!」
「そうだ!こんな非人道的なことをしてただで済まされると思っているのか!!」
我慢できなくなった科学者が次第に出てきて、主催者に反論していた。
「やめなさい!!いう事を聞くんだ!!!」
科学者のリーダーらしき40代くらいの博士が叫ぶ。
「さすがは千兎(せんと)博士。物分かりのいい人だ。」
「くそっ」
反論してくる科学者たちはそういって各自の研究室へ戻った。
実験体の中には、俺よりまだ子供で他にも傑作と呼ばれる8人の実験体がおり、ずば抜けたデータを持っていた。
実験内容としては、毎日謎めいた液体をたくさん注射させられた。身体能力を鍛えるため、武器の扱い方はもちろん、知識や反射神経を鍛えるために、様々なトレーニングをさせられた。
傑作と呼ばれる子供たちは、どのトレーニングででも、高得点をたたき出し、他の実験体とは天と地ほどの成績の差があった。
実験とトレーニングを重ねていくうちに、戦闘状態になると体にタトゥーのような謎めいた文様が浮かび上がるようになった。
そういった反射神経や身体的トレーニングの他、勉学、戦術、人の殺し方などの雑学など徹底的に叩き込まれ、常人ではなりえないもはや人間の皮をかぶった一種の怪物に見えてきたのだった。
「ふふっ。素晴らしい。素晴らしすぎる。これこそが最強(最恐)の兵器」
一部の科学者たちは、歓喜してした。科学者たちは体に浮き上がった模様のことを“リダクト”と呼んだ。
そして、実験が進行していく時であろうか休んでいる時であろうかいつもあの言葉を聞かされていた、頭に染み付くまで、
「人間には2種類いる。淘汰される者と選ばれし者。あなた達は選ばれた。あなたたちで強靭な社会を作るのだ。さぁ、はじめよう。人類の選別を、、、、、」
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