第4話 なにかちゃんとバー
仕事終わり。
この日は1日に2件もめんどい仕事をこなしたので
自分へのご褒美も兼ねて、東京へ引っ越してきて初のバーへ。
お邪魔したのは職場近くにひっそり佇むバー。
入った瞬間まろっと暖かな雰囲気に包まれ
お若い店長さんが和やかに迎え入れてくれました。
実は地元秋田のバーで働いていたなにかちゃん。
カウンターの中での接客は慣れているけどカウンターの外に来た途端ちょっと緊張。
メニューをゆっくり眺めてから決めた。
最初は竹鶴ピュアモルトのハイボールをオーダー。
今まで飲んだことのないという好奇心から注文してみた。
スーッと爽やかでコクがあって飲みやすい。
ハイボールにピッタリだなぁーと思った。
きっと水割りも美味しくいただけそうだ。
店長さんとバーテンダーの仕事について軽く話したりしてるうちに、彼女がバーテンダーの仕事を天職だと言ったことばが胸に刺さった。
当初、バーの知識も技量も100%でないことをいつも負い目に感じていてた。
いくら練習しても、お客さんからシェークが上手くなったねと言われても嬉しかったがなぜか自分に自信が持てなかった。
自分よりもお若いと思うのにしっかりしてるし、彼女の凛々しいふるまいに胸が痛くなった。
こうやって自分に対して自信が持てないことにずっと悩んでいる…。
でも、バーでのことはすぎたことだからあまり自分を責めすぎないようにしよう…。
そんなこんなで自分の事を振り返る時間ができた。バックバーに置かれたウイスキーの瓶たちを順番に目で追いながら秋田での日常を振り返った。
接客の仕事は…正直嫌いだったなぁ。
(酔っ払いの相手なんかは特に)
2杯目と3杯目もおすすめでオーダーしたりなんかして気がついたら21時を回ってた。
明日も仕事だから早く寝よ〜と思って、素敵なバーを退店したのでした。
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