第56話
『戻ったぞい。』
じいちゃんが荷物を持って戻ってきた。
『これでも喰って精でもつけるんじゃな、はーははははっはは!』
精を付けてどうすんだ?
「美味しそうな匂いがする。」
出来立てを持って来てくれたようだ。
出来合いでなく良かったと思ったエレンだった。
で、ヘイマンスは思った・・・・じいちゃんが冒険者ギルドへ報告と屋敷へ物資の受け取りへ向かったが、戻るのが圧倒的に早かった・・・・つまり出来立ての食事はじいちゃんが持って速攻戻る事が出来るよう準備できていた、って事だ。
一体誰がそんな凄い事を。
何せ1ヶ月以上屋敷への連絡をしていなかったのだ。なのにどうやってじいちゃんが物資を受け取りに屋敷へ向かうのが分かったのか・・・・うーん、考えるほどわからなくなる。
考えるのを放棄したヘイマンスだった。
その後エレンと2人で美味しく頂いたが・・・・【何これめっさ美味いんすけど!】
と思わず唸った。
「匂いだけで美味しいとわかる料理。素晴らしい!修道院ではこんな素晴らしい女性をヘイマンス殿に預けたのか・・・・まさかライバル?」
いや、エレン料理した事ないだろう、だからライバルとか関係ねえんじゃね?と思ったが口に出しては、
「エレンにはエレンの良さがあるし、そんなエレンでいて欲しいと思っている。」
「・・・・いて欲しい・・・・私が・・・・わかった、ヘイマンス殿の隣へ常に居る様にしよう。」
いつもの如く、若干ずれのあるエレンだが、そんなエレンが好ましく思ってしまい、でもここで言ったら負けた様な気がするんだよな・・・・
何に負けるのか分からないものの、そう思ってしまった。
・・・・
・・・
・・
・
終わった・・・・食事を終え、精霊達に頑張って・・・・拘束してもらっていた魔物達。これらを全てへイマンスだけで仕留める事に成功。
やっとボス部屋の魔物を全部仕留めたし、これで一息つける!そう思いつつエレンを見るが、結局エレンはずっとヘイマンスを見ているだけだった。
やはり血を失った影響が大きいのだろうか、と思ったヘイマンスだが、
『やはり添い遂げたい・・・・ヘイマンス殿も解呪できたようだし、今後は私が後ろ指をさされずに済む姿に成長してくれるだろうし、子を欲した場合、現状では無理らしいから、そちらも期待したい所だ。』
・・・・捕食者の目で見られているヘイマンス。
既に被食者から捕食者へ立場が変わったと思っているが、実はまだ被食者だったヘイマンス。
ステファニー視点でいけばそのままで!と思う所だろう。
「エレン、本当に大丈夫なのか?」
「ああ、問題ない。ボプ殿に武具を与えてしまったのは致命的だが、武具だけが全てではない。それにこうして【出戻りちゃんまーく2】も手に入れてある。」
・・・・マーク2なんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます