第16話
森から街へ帰ってきた俺とエレン。
俺は早速冒険者ギルドで素材の買取い取り手続きをしてもらう。
終わると受付の女性がエレンに声を掛ける。エレンに何か連絡があるというではないか。
「ヘイマンス殿に最初声を掛けた時伝えたと思うが、件のパーティーから声がかかったようだ。」
一瞬何の事、と思ったがすぐに思い出した。
●第5話●で言っていたっけ。
最近ダンジョンで行方不明となる冒険者、それも2人ずつがいるとか何とか。
その調査の為に俺に近づき、手伝ってほしいみたいな流れだったよな。
「あー、というか俺とエレンがパーティー組んで1週間経ったけれど、それまで何もなかったのか?」
俺はふと疑問に思った。てっきりこちらからギルドか調査対象に働きかけると思っていたからだ。
「少し前までダンジョンに居たらしい。で、戻って私達を知り、今朝になって紹介しろ、とあちらのリーダーがギルドへ問い合わせという名の催促をしてきたそうだ。」
もう一つの疑問。相手のパーティーって実力者、若しくは高ランクなのだろうか。
「一応Bランクのようだが、こちらはDランクとして登録してある。あまりにもランクが離れているとギルドがパーティーの加入を認めない可能性がある。1であればいいが、2違うと大掛かりな審査が必要。」
なあ、俺ってエレンとパーティー組んだけれど、リーダーなんだよな?何で自分のパーティーランクが変更されている事を知らないんだ?やっぱりエレンがリーダーなのだろうか・・・・エレンの方が冒険者のランクも段違いだし。
そうそう、俺はそれなりに魔物を仕留め?ている事になっており、尚且つ採取の依頼を毎日のようにこなしている事から個人のランクはDだったりする。
一方のエレンはBランクらしい。
エレンの場合実力とランクが違うようだが、あまりランクに関心が無かったらしく、ランクアップの試験を受けていないそうな。
結構ランクで依頼内容が変わるんだけど、今までどうしていたんだろう。
そして俺とエレンでパーティー活動を開始したが、最初はFランクだったはず。
新たなパーティーは、個人のレベルに関係なくFから始まる。
俺、ランクアップの手続きした事ないし、まだ結成から1週間なのにもうDになっていたようで、驚きだ。
「これに関してはギルドで協力してもらっている。ヘイマンス殿は主に採取の依頼を受けていると思うが、精霊達が仕留めてくれる魔物の討伐依頼もあらかじめ受けてある。このおかげで短期間にDまで上がったと思ってほしいし、もしランクアップが間に合わなくても特例措置として仮ランクとしてDにあげてもらう手はずだった。」
そう言えばギルドからの要請?だったな、だから依頼なのか。
結局翌日件のパーティーと顔見せをする事になった。
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