いつか知ることができたら。

mayoi

第1話

僕は疲れてしまったんだ。

毎日が苦手だった。

小田急線と毎日にらめっこして

怖くて後ろに並んだ

吸い込まれてしまいそうだったから。


自立をしなさいと言われた。

実家暮らし。二十歳。

自立もせずに夜の街にすがった。

僕を否定しなかった。表向きは。


僕は疲れてしまったんだ。

人のために頑張ることが楽しかった。

自分に時間を使うことは難しかった。


知らない人と話すのは楽しい。

知らないことを知れるから。

僕の思考回路を否定してくれるから。

僕は間違っている。

僕は間違っている。

否定すると安心感が生まれる。


バスは毎日遅れてくる。

僕が毎日遅れてくる。




遅れている。

僕は間違っている。


僕は間違っているので怒らない。

僕は間違っているので泣かない。

僕は間違っているので悲しまない。


僕は間違っていると安心なのだ。



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