浅野 光輝視点
「みんな久しぶりー」
「久しぶり!」
「夏休みに行くって言ってたあそこどうだった?」
クラスメイトのみんなは夏休みどうだったか報告しあっている
「光輝くん!倒れたって聞いたよ大丈夫だった?」
「うん…大丈夫だよ」
僕が倒れた事を知っているクラスメイトは心配の言葉をかけてくれる
「あんま無理しないでね!光輝くんには美羽さんがいるんだから」
「………」
「光輝くん?」
「ん…ああ そうだね」
「光輝くんまだ体調悪いの?」
「いや…大丈夫だよ」
美羽さん…あれから何度か連絡したけど全く返信がなかった…心配だったけどインス◯に写真を載せていたし無事なのは確定だけど…
そしてしばらくすると美羽さんが教室に入ってきた…クラスの女子と話してるようだ…久しぶりに見た美羽さんは相変わらず綺麗だった、美羽さんを見ていると好きで好きで堪らない気持ちになる
「美羽さん…」
「あっ!光輝くん久しぶり!」
久しぶりに聞いた美羽さんの生の声…
「うん…久しぶり…聞きたい事があるんだけど…」
「え?なーに?」
「夏休みの間…予定あるって言ってたけどなんだったの?」
「えー?勉強だよ勉強!もう光輝くんには負けられないからね!」
「……LIN◯も無視するほど勉強頑張ってるんだ…」
「……あっ!…ごめん!夏休み全然携帯触ってなかったの!」
嘘だ…インス◯に何枚か写真載せてたよね…
「…現代の人間が携帯を触らない日なんてあるの?」
「…………」
美羽さんは無言で俯いてしまった
「あとさ、花火大会あったよね?あそこにいた?」
美羽さんが少し驚いた顔をした
「………いないよ…」
「…そっか…じゃああれは見間違えか……」
「実はさ…花火大会が終わった後人通りの少ない暗い場所で男女が性行為をしていたんだ…」
「すごい下品な発言をしてたんだ…虫唾が走るくらい…」
「でもさ…よく聞くと…美羽さんの声にそっくりだったんだ…」
「その後は一緒に来ていた友達に呼ばれてその場を後にしたけど」
「僕はその時の件が頭から離れなくてずっと体調が悪いんだ…」
「本当に花火大会に行ってないんだよね?」
お願い…行ってないって言って
「うん…行ってないよ…」
よかった……
でも美羽さんやっぱり様子がおかしい………まさか…本当に……嫌!そんなわけない!美羽さんは僕の物なんだ!
「わかった…信じるよ……ただ…」
僕は抑えきれない気持ちを美羽さんにぶつけようとした
パチン!
「最低っ!本当にありえないんだけど!」
「………………」
なんで?…なんで僕ビンタされたの?僕と美羽さんは相思相愛の許嫁だよ?美羽さんは僕と関係を進めたいって言ってたよ?
嫌だ…美羽さんに嫌われた…ビンタされた…嫌だ嫌だ…あ"あ"あ"!!
ーーー
少しずつ冷静になり
僕…何してるんだろう…美羽さんに無理矢理キスしようとするなんて、ここ最近おかしくなってきた、何も考えずボーっとしてただけなのに涙が出たり美羽さんが夢に出てきて他の所へ行っちゃう夢も見るようになった
美羽さんの事を思うと色んな感情が出てくる…そしてその全てがマイナスの感情
もう……駄目かも…しれない
それから僕は美羽さんに話しかける事ができなくなった
つらい…つらすぎる…目の前にいるのに、手を伸ばせば触れられるのに…
三年生になってから僕は心がぐちゃぐちゃだ、二年生の頃みたいに美羽さん勉強会する様な仲に戻りたい…
美羽さんの方を見る…美羽さんと目が合うそして僕が目を逸らす、いつもこれだ これ以上美羽さんに嫌われたくないからむやみやたらに話しかけれない
もう少しで文化祭…そうだ!その時に話し合いをしよう!そして僕が悩んでいた事を全てぶつけよう!美羽さんなら僕の気持ちわかってくれるはず!
ーーー
文化祭当日…僕は色々任せられた事もありかなり忙しかった、そして一段落ついたあと美羽さんが仕事してる方へ向かった
今日で美羽さんに全て伝える…僕の悩みを全て…しっかり話し合えばきっと前みたいな関係に戻れる
「美羽さんいる?」
「居ましたけど10分くらい前にすごいかっこいい男の人とあっちの方に行きましたよ」
「え?」
「なんかすごいラブラブでしたよ…」
生気のない顔の男がフラフラと歩いている
……もう…駄目だ
…絶対…浮気してる
じゃないと三年生の美羽さんの変わりように説明がつかない
…行こう…
さっきの子が教えてくれた方に歩こうとした…
ガタン
膝が震えて上手く歩けずその場で座りこんでしまった
行きたくない…知りたくない…でも…
僕はまた立ち上がり震える足で歩いた
しばらくすると2年前に廃部になった部室がある場所についた
そして部室に近づくと…人の声が聞こえた
「やばっ…もう出すよ」
「ん」
「あっ…ん…ふー気持ちよかった」
ゴックン
「関路くんいっぱい出たね!ご馳走様!」
「でもまだ元気そうだね……パク」
「ちょっ!」
…花火大会の時に性行為をしていたあの時のカップルだ…関路…間違いない…そして美羽さんによく似た声
胸苦しい…吐き気がする…僕は恐る恐る部室のドアの隙間から中を見ようとした
神様どうかお願いします…他に何もいりません、だから
そして遂に部室の中を見た
「美羽…!イッたばかりで敏感だからもう少し優しく…」
「チュポン……む〜り〜!パク」
「ああっ!」
…………………………
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!
死ね!死ね!しね!あ"あ"!
僕は完全に壊れてしまった…
美羽さん…すごい下品な顔だね!とても気色が悪いね!
耳…そっか…ピアスしてたから耳を掻き上げるクセをやめたんだあ!
うわあ美羽さんすごい下品に男のを舐めてるね本当に気持ち悪い
あはは!
………
あの女はゴミだ ヤリマンだ ビッチだ
あんなクソ女この学校に必要ない
動画に撮ってみんなに見せてやる…僕を裏切ったクソ女は痛い目に遭ってほしい
隙間からずっと見ていた僕はあの女への復讐で頭がいっぱいだった
これであの女も終わりだ!学校も家族も友達も全て失う!ざまあみろ!僕を裏切った罪だ!!
「ん…ん…ん………ん?」
あの女と目があった
彼女は僕を見てからすぐニヤけて見せつけるように男のを舐めて僕に向かって
ピースをした
僕はその瞬間その場から逃げ出してしまった…自分でもなんでこんな行動したのかがわからない…突撃すればよかったのに
もうあの女には未練なんてない、あるわけがないあのクソビッチに
あるわけ……ないのに……
み…う…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます