第4話
ポヨ ポヨ ポヨヨヨン
俺は何かの声?音によって目が覚めた。
記憶が曖昧だ。俺は王様との謁見のために馬車に乗って……。
俺は今、何処かの森?にいるようだ。
そして目の前には水色の物体、俗に言うスライムがいる。なんというか俺のほうに近づいて来ている。
スライムがとった行動は一つ、部外者に対する攻撃、つまり俺に向かって酸を吐き出してきたのだ。
スライムという魔物は非常に弱い部類の魔物である。しかし初心者向けではない。何故なら、スライムはプニプニしたボディーで、生半可な攻撃は通さない。しかも、核を潰さないと死なないというものだ。倒せたとしても大した収益にはならないから色んな意味で最も嫌われていると言っても過言ではないだろう。
そして、そのスライムが俺に襲い掛かっている。
俺はスライムの酸を必死に避けていた。当たったら致命傷にはならないものの、焼けるような痛みが俺を襲ってくるだろう。
スライムも必死で俺のことを襲ってくる。スライムだって殺されたくはない。ただその一心でずっと酸を飛ばしてくる。
どれだけの時間が経っただろうか。スライムも俺も疲れ果てて、一緒に動かなくなった。
そして何故か俺にはスライムの言葉が理解できた。
(はぁはぁ、ここで止まると僕が殺されるかもしれない。どうしよ?)
こんなことをスライムは思ってるのか~と思うと同時に俺は自分が魔物の言葉を理解していることに驚いた。
そして、俺はこのスライムと会話ができるのではないかと考えた。向こうの話は聞こえるからね。
俺はそのように思い実践してみた。
(えっと、聞こえてる?僕に敵意はないよ?)
すると、スライムはビクッと体を震わせるとこっちに向き直った。
そしてたぶん人類初となる魔物との会話が成立したのだ。
(えっ?そうなの~?)
スライムが体をプルプル震わせている。かわいい。
そして、俺はこれから魔物を頼りにしてこの森で生き抜くことになるのだろうか……、そんなことを考えながら俺はスライムとコミュニケーションを続けた。
(ここがどこかわかる?スライムさん?)
するとスライムは少しプルプルと困惑したように動いてから、
(わかんない~。気がついたらここにいた~)
スライムさんらしい解答である。であると、俺は何の情報も無しにここから脱出しないと行けないらしい。
今日はもう疲れた(何もしていないが精神的に)。
そして俺は近くの木の下でゆっくりと休むことにした。
ここが魔物の森だということも知らずに……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます