思春期

消費期限

愛情の消費期限はいつですか

お湯で三分待つだけの愛


憂鬱になる

毎朝制服を着る

身の丈に合わぬブランドタグを


踏切も昨日と同じように鳴る

線路はきっと硬くて冷たい


教卓で声高に正義を叫ぶ 

警報みたいにチャイムが鳴った


(叫びたい消えたい死にたい情けない)

さっきのテスト追試確定(笑)


理科室の骨格模型に触れてゐる

私はこれのための着ぐるみ


義務教育の盾を失くして四面楚歌

セブンで買った菓子パンを食む


プチ家出深夜サイゼの包容力

火照る体にアイスねじ込む


死神は僕と遠距離恋愛中

わかれ話を切り出せぬまま


才能はポイ捨て

悲劇のヒロインを演じて

拾われるのを待ってる


結び目ができたロープを解いてる

ヒトは意外と簡単に死ぬ


画面越し

誰にも見えぬ右腕が

僕にナイフを突きつけている


拍動を使い切るまで死ねないの?

また心臓を握られている


落ち込んだら

溢れんばかりの青色で満たされている

MVを観る


紙製の卵パックを踏み潰す

世界は弱者に冷たいと思う


信じられないから愛情は嫌い

優しさも嫌い

自分も嫌い


マンションの灯りひとつに生も死もあって

その真ん中で生きてる


一日の終わり鏡の前に立つ

仮面が音を立てて剥がれる


大切なものが増えてく度

いつか失うだけのものが増えてく


人生の消費期限はいつですか

僕のはとうに過ぎてしまった

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