『そのあとは知らん』

「ねぇちょっとウタっち!」

「聞いて!スゴいもん見ちゃった!」


「んー?どしたん?リヲちゃん?」


「アタシ夜型じゃん?朝弱いじゃん?」


「うん」


「今朝も寝坊して、近道するために裏路地を通ったわけ」


「夜は焼肉屋さんから匂いが漏れて来るあの狭い道だよね」

「…今度焼肉行かん?」


「焼肉は有り」

「んで見たらさ、ネズミが一匹居たの」

「小ちゃいネズミね」


「怖っ、ネズミなんて夢の国でしか見た事無いかも」

「…今度夢の国行かん?」


「良いね行こか」

「そのネズミがさ、全然動かないからどしたんだろってじっと見てたの」


「寝坊したんよね?大丈夫なん?」

「立ち止まってる場合じゃ無くない?」


「まぁ遅刻はしたけど」


「一週間フルコンボだったもんねー」

「担任、一周回って笑っちゃってたよね」

「ふっ」


「笑うなし」

「見たらネズミが見つめる先にネコが居たのよ」


「ネコ?ピンチじゃんネズミ」


「じりじり近付かれて…食べられるっ!ってその時!」

「ネズミがネコに噛み付いたんよ!まさに窮鼠猫を噛むきゅうそねこをかむ!ネコがひるんでた!」


「やるじゃんネズミ」


「ま、その後普通に食われてたけど」


「ふーん世知辛いねー」

「それより、ティラミスあるけど食べる?」


「いいの?食べる〜」

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