『トップライト』
右と左が全く同じ黒い影。
纏う全ての見えないものも私の形の通りに動く。
偽物の小さな塵の煌めきはまるで宝石。
光が細く落とす光線。
見つめる闇に映る華美とその本質の差。
噎せ返る香りが支配する。
上から下まで均一に塗られた純粋さ。
気泡が浮かぶ水面の歪みの通りに前ならえ。
飛んだ魚の死骸でも、誰かの小指の赤い糸。
遠い波間に白の船。
閉じた瞳の虹色が甘い誘惑と知らぬまま。
それは私が見つけた色メガネ。
外から中に、中から外に光を飲んでは吐き出した。
深く暗い火の中じゃ息を吸うのもままならぬ。
迎える闇は誰かが伸ばした妥協の変わり。
目玉を潰せば呼べる安寧。
救われたのか掬われたのか、はたまた私が落ちたのか。
知らない誰かの墓の前。
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