星の夢を見た

茶葉

『残像』

遮断機が降りてくる。

だけど。だけど

こんな所に踏切なんてあったっけ。

もしかしたらいつか通った場所。

空の高さや草の匂いのせいかもしれない。

誰かと重ねてしまっているのかもしれない。

10分とか15分後を想うけれど。

それだけ経ったら。

経ったのならば電車は通るんだろうか。


遮断機の色。

白と黒。道路の黄線(おうせん)。

目に残っているだけ。

この黄色は目に残っているだけ。

目の前に横たわった開演。

何を与えようか。差し出しますか。

そうなんだけど。

自信はないなあ。

こんな所に踏切なんてあったっけ。


世界がぼんやりと飛んでいく。

たぶんだけど。

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