第4話…④
甥の訃報…
父方の親戚が、父親の弟…伯父が中心となり
両親の眠る寺で法事を行った
Jも参列…そして、僕も…
法事が食事会になろうとする頃に
甥の入院する病院から電話があった
……もしもし
Jさんですか?
……ハイ
息子さんが危篤状態になりました
こちらに来てください
今…用事…えっ?
Jの様子を察した伯母が…父親の義姉…電話を取り上げた
お電話、代わりました
どちら様ですか?
……こちらは××病院です
Jさんの息子さんが危篤状態になりましたので
こちらに来ていただきたいのですが
甥っ子が…あなた…U君が危篤状態に
J、すぐに行きなさい!
……間に合うわけない
その場を動こうとはしない…J
僕が病院に送ろう
Jさん、息子が待っているだろう
僕は席を立ち、身支度を始めた
Мは家族じゃないだろう!
関わるな!
声を荒げるJ
………わかった
伯父さん、伯母さん…僕は病院に向かいます
場所はどこですか?
ここだよ…
連絡先と場所を書いたメモを渡してくれた
そして、冷たい眼差しでJを一瞥をする伯父
Jさん…フッ、義兄さん…俺と義母さんを追い出した時のようだな、あの時は元義姉さんもいたけどな
一人息子なんだろう?アンタは父親じゃないのか?
僕はそう言い捨て、甥の入院先に向かった
お父さん…来て…くれた
甥は僕をJと思っているようだ
来たよ…ごめんな…仕事、仕事で…ごめんな
決して、Jが言う言葉ではないだろう…
病気をして…ごめんな…さい
ウーううー…お父さんに…あいたかっ…た
ピー…病室に心肺停止した事を告げるアラーム音が
響いた…そして、甥の世話をしていた伯父夫婦が
飛び込んできた
失礼します…ご家族の方は待合室でお待ちください
主治医とスタッフが甥の状態を確認に来た
Jは息子の死が伝えられるまで、何もしなかった
喪主は伯父がつとめ葬儀が行われた
Jよ、お前はUの葬儀には出るな
Uの父親じゃない…
伯父は怒りを秘めた声で、Jに言う
何を…伯父さん
今、元妻…Uの母親もこっちに向かっているんだ
Uを捨てた元妻か…Uの焼香はさせんぞ
この愚か者どもが…!
甥のUの四十九日の法要にも、Jと元義姉を参列させなかった伯父と、商談と称して交流をするようになった
父方と母方の伯父と叔父が杯を交わしている
Мは独り身で寂しくないか?
いい人がいませんから…
何を言っている…今度、見合いをするだろう?
叔父さん…断ったじゃないですか
何故…断る? 会うだけでもいいだろうに
Jは相続した全てを私に譲りたいと言って
会社が買い取る形で…逃げた元妻とよりを戻した
…М、お前は幸せになるべきだよ
Jさんが…
甥っ子が父親の墓に入った事は知らないのでは?
教えないさ…手を合わせる資格がない奴らだ
まぁまぁ…なんですな
Мの父親が仕向けたように思いますね
YもJさんには気を遣ってばかりだったからな
Мでさえ肩身の狭い思いをしておりましたしな
とにかく…見合いだけでもしてくれ
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