第4話…③

叔父の会社に取引先の伯父が来た

商談である


久しぶりだな…М


ご無沙汰しております…伯父さん


後で食事でもしょう




伯父は義兄の話をしてくれた

相続の話が落ち着いた頃から

義兄家族に不幸な事が起こっている

という


Jの嫁が家を出て行った…Jの母親のように不貞をしてな


……そうですか


ん、Jはすっかり肩を落として、家から出てこなくなった…JとМの父親も同じじゃったな


子どもは?


息子か…今、大病をしているんだ


……そうですか


ところで…お前の父親と母親の戒名と墓の場所を教えてくれんか?

こちらでも供養をしたいんだよ

まったく…Jの奴が物欲にかられて…


伯父さん…

僕は父親と母親がいる寺の場所を記したメモを渡した

僕は母方の人間になりました

法要には参加しません…Jは僕の家族ではありません


……ん、そうだったな…

私は君が父親の跡継ぎと聞いていたから…だから…

伯父は伏し目がちにグラスを見つめる


Jにチャンスをあげたら、いかがでしょうか?

母や僕を家から追い出した…父親の跡継ぎにふさわしいと考えているんだと思います


伯父は目を丸くする

そして、僕のスマホに着信があった

Jからだった


ハイ…


Мか…俺だよ…


ご無沙汰しております…Jさん


オイ…俺達は兄弟だろう?

聞いてくれ…伯父さん達から縁を切られた

息子が入院して…嫁が裏切りやがった…


僕にはどうする事もできません

愚痴なら他でやってください…今は商談の最中です

失礼します


スピーカーにしていた…


М…冷徹な感じがするよ

ん〜、一度…Jのところに行ってみるか

教えてくれて、ありがとう…

また、飲もう




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