第22話 奥の手『産業医面談』
2023年6月21日、水曜日。
本来、出勤日でしたし、出勤する予定でした。
ですが、『産業医面談』の予定が入ったため、有給休暇を取得することにしました。
(人事に確認したら、離席の理由は上司に伝えなくちゃいけないって言われたんですよね。まさか、【あなたの文句をぶちまけるために『産業医面談』受けてきます】なんて、上司本人に言えないじゃないですか。なので、有給休暇を取得してしまいました)
実はわたしの所属している部署は、人事があまり介入しない、いわば【ブラックボックス】状態の部署のようで、わたし自身がそのことを知ったのは数年前。
ひどく驚いたものです。
人事が介入しない部署が、会社の中にあるなんて。
おまけに、その部署に自分は配属されているなんて、と。
なぜ産業医面談が【奥の手】かと言えば。
産業医は必要に応じて会社への提言を行ってくれる、つまり産業医面談の結果は直接人事に届くからです。
何を隠そう、これは人事部所属の方から、わたしと同じチームでやはり体調を崩しているチームメンバーに伝えられた内容です。
『心療内科に行く前に、まずは産業医面談を受けて!声を上げてくれなければ、私たちは動けない!』
その話を聞いたわたしは早速、産業医面談への申し込みを行いました。
もちろん、わたしにその話を教えてくれたチームメイトも、同日中に産業医面談への申し込みを行いました。
そして本日(6/21)。
産業医面談と相成った訳です。
わたしはありのままに、今本当に困っている事(職場の状況や自分自身の症状)を産業医の先生にお話しました。
先生は……
「う~ん……え?なんでだろう?」
と、何度も頭を抱えていらっしゃいました(笑)
何に頭を抱えていらっしゃったかと言えば、上司の対応についてです。
なぜ、上司はこの緊急事態ともいえる職場状況に対して、介入しないのだろうかと。
先生:「この人(上司)は何をしているんですか?」
わたし:「知りません。聞かされていませんし」
この応答も、何度か繰り返されました(笑)
心療内科で先生にお話を聞いていただいた時も思いましたが、やはりうちの上司は(というか、職場状況?)は、相当酷い状況のようです。
……中にどっぷり漬かり過ぎていると、麻痺してしまうものなのですかね。
自分だけがワーワー騒いでいるのかもしれないなんて思ってしまうのですよ、時々。
何度もわたしに質問を繰り返し、頭を抱えては悩んでいた先生は、最後にはちゃんと結論を出してくださいました。
先生:「人間は、得てして災害が起こらないと危機感を感じないものですからね」
わたし:「もう既に災害は起こっているんですけどね……(みんな体調崩していますし)」
先生:「この人(上司)にとっては、クライアントから請けた業務が回らなくなることが、唯一の災害なんでしょう」
もう。
目から鱗が何枚も落ちましたよ。
つまり。
自分の部下や部下の家族がどれだけ体調を崩そうが困ろうが、そんなことはまるで問題ではなく、クライアントから請けている業務が滞る事だけ、ただそれだけが、上司にとっての災害(=危機感を与えるもの)ということだというのです。
ものすごく、納得です。
そして、先生はこうもおっしゃいました。
「危機感を抱かない限り、この人は動かないでしょうね」
オーマイガッ!
つまりつまり。
みんなが(自身の体調やプライベートを犠牲にしてまで)必死になって業務を回してしまっている事が、上司をより一層動かさなくしているという、そういうことなのです。
そんな上司……います?!
ま、確実に1人はいるんですけど"(-""-)"
「それで、平さん自身は今後どのように考えていらっしゃいますか?このまま通院しながらお仕事を続けられますか?」
そう聞かれたわたしは、最近考えていた事を先生に話してみました。
「少し長めの……2週間くらいのお休みを取って、仕事から離れてまずは疲れを取ろうかなと考えています」
「それは、有給で?傷病休暇として?」
「まずは有給休暇で、ですね。それで良くならなかったら、その時また考えます」
「それはいいですね。有給休暇でしたら、理由を話す必要なく休めますから。傷病休暇だと診断書が必要ですからね。それでその間に業務が回らなくなれば、この上司も少しは危機感を持つかもしれませんし。もちろん、チームメンバーへは事前に迷惑かけてしまう旨はお伝えしておいた方がいいですけどね」
……意外とブラックな産業医(笑)
嫌いじゃない(爆)
「会社へは、あるべき姿(メインのチームリーダーを置き、サブはあくまで補助的役割のみを担う)を早急に整えるようにということと、平さんの業務の削減の提言をしておきます」
そんなこんなで、わたしの産業医面談は終了しました。
つまり、人事部にこの情報が届くという訳です。
……これで、何かが変わればいいのですけど。
というか、面談を受けたのはわたしだけじゃないですし。
実は本日、わたしに産業医面談の情報を教えてくれたチームメイトも産業医面談だったのです。
わたしと彼女はもちろん時間帯がずれていたのですが、終わった後に近くのコーヒーショップで落ち合って、色々と話をしました。
「『この職場には業務管理をする人がいないんですね』って先生が言ったんですよ。だから『その通りです!』って言いましたよ、私!」
彼女はそんな事を言っていました。
確かにそうかもしれない。
わたしはチームリーダーの代行をしているけれども、業務管理をするような役職ではないですし、だからと言って、上司や管理職がしているかと言えば、なにひとつしていない(ようにしか、少なくともわたしには見えない)。
「この話は人事部止まりにしておいた方がいい?って聞かれたんですけど、『行くとこまで行ってください』って言いました。じゃないと、面談した意味ないじゃないですか」
彼女はこんな事も言っていました。
わたしの時には、人事部止まり云々の話は出なかったので、彼女はもしかしたらもっとこう、確信を突く話をしたのかもしれません。
さて。
彼女とわたしの奥の手『産業医面談』の結果やいかに?!
……そんなに即効性があるとは、考えていないのですけどね……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます