第7話 診断書の提出

 GW明けの2023年5月8日。

 わたしは上司に時間を作っていただいて、診断書を提出のうえ、業務量の削減を正式に依頼しました。

 もちろん、医師に言われたとおり


「このまま続けていくと、【休職】することになる、と言われました」


 と伝えるのも忘れずに。


「これは人事に提出するけど、チームメンバーには伝えてもいい?」


 と上司が聞くので、もちろん構いません、と答えましたよ。


 ……伝えなければ業務量の削減なんて、できないでしょうに。

 みんなの協力が絶対的に必要になるのですから。


 という訳で、やっと動き出してくれたと安心して過ごしていたものの、業務整理をした結果、何故か業務量がまた増えると言う不思議な事が起こり。

 まぁ、我がチームは今、絶対的に人が足りていない状況ですし、新人が多いチームなので、今すぐゴッソリ業務を削減できるとは思ってはいませんでしたけど。


 ……こういう時って、わたしよりも上の役職の人が、代わりに業務を代行するとか、そういう事をしてくれるんじゃないのですかねぇ?通常は。


 と呆れ半分で過ごしていたある日。


 涙が。

 両目ともに滲み出るようになりました。

 大あくびとかすると、ジワッて出ますよね、涙。

 多分、量的にはあれくらいの量だと思うのです。

 もしくは、風の強い日に目が乾いて涙がジワッと出るような。

 そんな感じ。


 わたしは最初


 あれ~?

 またなんかの花粉にやられてる?!

 いや、でも鼻は何ともないしなぁ。

 じゃあ、ドライアイか?!

 ……そんなに乾いている気もしないんだが……


 と、軽く考えていました。


 ですが。


 その日を境に、毎日毎日、そんな事が続くようになったのです。

 出勤の日に限って。

 しかも、会社からの帰り道では涙は止まっているという。


 ……もしやこれって、先生が仰っていたあの


「涙腺が緩くなったりしていませんか?」


 っていうこと?!


 と、その時初めて、先生の質問の意図を理解したのでした……


 ドライアイにはならなくて済むからいいのかもしれませんが、四六時中涙がジワッて滲んでる状態って、意外とウザいものです。

 でも多分これも、体が会社を拒絶してるってことなのでしょうね。

 わたし自身はそれほどでもないのですけど。

 この心身の状態の乖離は、いったいどこから来るのでしょうか……わたしの心がマヒしてしまっているだけなのでしょうか……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る